久しぶりに庭園美術館へ行った。
■東京都庭園美術館>アジアのイメージ 日本美術の「東洋憧憬」
入ってすぐ左手の壁に、川端龍子の雲岡石仏の大きな絵があるのだが、初め、それとわからず、何が描いてあるのかもわからず、離れてから振り返って、あっ、と気づいたような感じ。──戦前から戦後にかけての日本の美術において“アジア”(というかむしろ“中華”と言い換えたほうがよいかもしれない)がどのように受容されたか?に焦点をあてた展示、なのだけど、「1960年代以降」それがフェードアウトしていったことを認めつつ、それがなぜなのかに触れていないようで、新館のほうでいきなり現代アーティストの作品が出てきても、うーん、という消化不良感は否めなかった。前田青邨の牡丹の絵が、不思議なくしゃくしゃとした立体感が出ていて感心した。
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すぐ近くに、「国立科学博物館附属自然教育園」というところがある。初めて入ってみた。ここは何の土地なのだろうと前から不思議に思っていたが、松平讃岐守の下屋敷が明治に軍用地になり、“白金御料地”になったあと、戦後に文部省の管轄になったところなのだそうだ。適度に手は入れられているにしても基本的には自然に任せてあるような場所らしい。
広葉樹が中心で、よく見られる雑木林のようでもあるが、驚くような巨木があったりもする。池もある。こんな散策路になっているとは知らなかった。沼地の近くで青い鳥が素早く飛んでいくのを見かけたが、かわせみだったのだろうか。
葉の斑の色合いが、日本画を思わせて、美しい。