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じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

「チェコ・デザイン 100年の旅」@世田谷美術館 11/10

 成城学園前駅からバスに乗って砧公園へ。展示期間の最終日に滑り込みで行ってきた。

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世田谷美術館>チェコ・デザイン 100年の旅

 展示は1900年代のアール・ヌーヴォーから始まる。…となるとやはり欠かせないのがミュシャのポスターデザインで、『ジスモンダ』や四芸術などが展示されていたけれど、アール・ヌーヴォーの時代に進んだ工業化や規格化に、ウィーン分離派が影響して、チェコキュビスムというのが生まれたという説明で、奇妙な強さを持った形の金属器などが面白い。──興味深かったのは、戦間期チェコの工業製品の質の高さ。美しく機能的な磁器や金属製品などが並んでいる。驚いたのは、写真をコラージュして使ったポスターや出版物など(写真はもちろんモノクロだが)で、そういう印刷物って当時としてはかなり先進的なものだったのではないかと思う(日本の戦前の出版物でそういう風に作られたデザインのものを見たことがないのだけど、あったのだろうか?)。チェコが当時の先進工業国だったという世界史的な知識はあったけれど、実際の工業製品を見たのは初めてだった。──チェコは1939年にドイツに占領(“ボヘミアモラヴィア保護領時代”と表現されていた)されるが、そんな困難な時代からも、グラスファイバー入りの美しい濁りガラスのボウルなどが展示されていた。戦後は東側になって、プラスティックな家電製品などが並んでいて、時代的にも、こういうものは昭和の日本にもあったな、という感じがしたけれども。

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 世田谷美術館のコレクション展も一巡した。──森芳雄の描く、顔がはっきりしない人物たち。人物が背景に溶け込んでいくようだ。柔らかい絵の具が弾けるような、難波田龍起の抽象画も、なんだか気に入った。

世田谷美術館>ミュージアム コレクションⅡ 森芳雄と仲間たち