night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

10/9(水)羽黒山

 翌朝、「エスモールバスターミナル」から、7時50分の路線バス、「羽黒山頂」行きに乗った。市街地を出ると、温泉施設に立ち寄ったりしながら、水田が広がる中をまっすぐ進む。大鳥居が現れると、だんだんと山中の宿坊集落の雰囲気が出てきた。

f:id:jawa_jawa:20191019234019j:plain
 帰路のバスから撮った大鳥居。

 羽黒山は、それほど高い山ではないが、昔の修験道の山で、国宝の五重塔が有名だ。路線バスには、フランス語を話す夫婦なども乗っていた。「羽黒随神門」という停留所で降りると、目の前に赤い山門がある。

f:id:jawa_jawa:20191019234154j:plain

f:id:jawa_jawa:20200430040345j:plain
 山門を入ると参道が下っていくのが、珍しい。

f:id:jawa_jawa:20191019234216j:plain
 神々を祀る社が立ち並ぶ。日本のこのような信仰の山によくあることだが、神仏習合の独特の信仰の場だったのが、明治の廃仏毀釈のため、神社を名乗ることになり、出羽神社という名前になっている。そもそも神社なのに五重塔があるというのはそういうことで、正直なところ、その信仰の内容は、あまり理解できないが…

f:id:jawa_jawa:20200430035949j:plain
 滝のすぐ近くまで行くことができる。だが、前夜は雨だったので、間違っても岩に滑ったりしないよう、山歩きは注意しなければならない

*

 随神門から10分ほど歩くと、参道の左手の森の中に、五重塔が現れた。

f:id:jawa_jawa:20191022202059j:plain
 室町時代に創建されたものだという。特別拝観を実施中で、一層目の中に入れるのと、二層の外側から中を覗いて見ることができる。創建当時の心柱が通っているが、江戸時代に一層部分は切り取られているという。

f:id:jawa_jawa:20191019234236j:plain
 屋根はこけら葺き。木肌はいかにも風雨にさらされたように見えるので、もとは彩色されていたのだろう…などと思いかけたが、そうではなく、最初から白木の塔だったという。森の中の、谷間のようなところに建っているので、湿気で、カビの類が大変なのだそうだ。

f:id:jawa_jawa:20191019234245j:plain

*

f:id:jawa_jawa:20191019234256j:plain

f:id:jawa_jawa:20191019234303j:plain
 五重塔を横目に、森閑とした参道は続く。この参道は、羽黒山の山頂にある出羽三山神社の三神合祭殿まで続いている。先ほどの随神門からさらに車道は続いていて、山頂まで路線バスが通じているが、ここは歩いて登ってみようと思っていた。だが…

f:id:jawa_jawa:20200430035937j:plain
 これは厳しい! ほぼずっとこの調子で登りが続くのだ。

f:id:jawa_jawa:20191019234330j:plain
 芭蕉塚。

*
f:id:jawa_jawa:20191019234337j:plain
 この森の中にも、当時は昔は僧坊が建ち並んでいたというのだ。

 参道の途中から右手に逸れて、「南谷」という標識が出ていたので、行ってみた。羽黒山を訪れた松尾芭蕉は、「南谷の別院に宿す」と記している。

f:id:jawa_jawa:20191019234350j:plain
 前夜の雨のぬかるみに足を取られ、沢の流れに靴を洗って、たどり着いたのは、山中に開けた、草生した平地だった。

f:id:jawa_jawa:20191019234359j:plain
 池は心字池だという。僧坊と庭園があったということだが、今となっては何一つ残っておらず、山に飲み込まれようとしているのだった。

f:id:jawa_jawa:20191019233930j:plain
 崩れ落ちそうだが…

*
f:id:jawa_jawa:20191019233939j:plain
 山頂にたどり着いた。汗をかいた身体に、風が冷える。

f:id:jawa_jawa:20191019233946j:plain
 出羽三山神社の三神合祭殿。合祭殿の隣の建物では、秘仏の公開が行われていた。右から、月山阿弥陀如来湯殿山大日如来羽黒山観音菩薩

f:id:jawa_jawa:20191019234000j:plain
 こんなに重厚な屋根の鐘楼は、初めて見る。

f:id:jawa_jawa:20191019234008j:plain
 芭蕉さん。芭蕉さんが訪れた当時の羽黒山は、天台宗の寺院ということになっていたはずだが。

 帰りのバスまで時間があったので、「出羽三山歴史博物館」も瞥見した。神事の映像で流れる、うさぎの被り物をした人物とか、烏天狗のように飛び跳ねるような人物などは、珍しい習俗だ、ということ以上の価値がわからないのだけれど…。平安時代鎌倉時代の、花鳥紋の銅鏡(和鏡)がいくつも並んでいたのが目を引いた。直径10cmほどのものばかりで、合祭殿の前の池(「鏡池」)から出土するのだそうだ。奉納する風習があったらしい。

f:id:jawa_jawa:20191019234015j:plain
 山頂の駐車場。赤いのが庄内交通の路線バス。──10時55分の路線バスで下山して、11時45分に鶴岡駅前に戻ってきた。まだお昼前である。