night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

漢字展 @東洋文庫ミュージアム 9/1

 駒込東洋文庫ミュージアムに行った。企画展「漢字展ー4000年の旅」を開催中。これは面白かった。

 漢字の歴史を紹介しながら、すべてが自分のところの所蔵品だというのが、ここのすごいところである。

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 まず甲骨がどっさり出てくるんだから…

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 「永和九年…」と来たら、蘭亭序

 東アジアの、漢字文化圏諸国への伝播を紹介する展示物が、とても興味深いものだった。

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 西夏文字の印章。

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 『道宗宣懿皇后哀冊』。遼の8代皇帝の道宗とその皇后の、墓誌の拓本だそうで、この、パラレルワールドの漢字のような文字は、契丹文字だそうだ。

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 『訓民正音』。なんか…たぶん、いまのハングルとは使ってる字が違うんだよね、きっと。パッチムのような「ㅇ」をパッチムとして読むと、どうしても違う発音になるような気がする。

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 「牧牛子修心訣」というもので、もとは高麗時代、12世紀の仏教書だというが、1467年にハングルで出版されたものだという。初期のハングルには、今では存在しない「、」のような母音があるが、どうもそれ以外にもたくさん「、」が使われているように見えるなあ。

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 ヴェトナムの、チュノムと漢字の混交文で書かれた小説らしいのだが、…どれがチュノムなのか、逆にわからないなあ

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 おお! 第二次簡化方案!! ──だが、展示されているページには、はっきり二簡字だとわかるものは見えなかったような…

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 『ナポレオン辞典』、1813年にフランスで出版されたもので、広東のフランス領事が漢字14000字の意味と発音をまとめたものだという。すごいなこれ。「龜」に"Koūey"と発音が振られている。現代の普通話なら"guī"(クェィ)だろう

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 清代の科挙の答案。そんなものを持っているのも驚くが、この印刷活字のように整った文字も、すごい。

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 奈良時代の『百万塔陀羅尼』。陀羅尼というのは仏教の呪文(仏教で呪文ってどういうことだろう?)で、それが木版印刷されたもので、“制作年代が判明していて現存する世界最古の印刷物”だそうだ。

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 はいはい、初春令月氣淑風和

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 『文選』でございます

 あと千字文とか、国宝の『史記秦本紀』などが、さらっと置いてあった。──面白かったのは、“四角号碼”という、近代の中国で作られた、漢字の形状に数字を割り当てて、字ごとに4桁や5桁のコード値を振るという体系に関する説明。正直、初めて聞いたものだったので、しばらく説明文を読んでいたが、ちょっと使いこなせるとはとても思えなかったが…。また、日本の“ヲコト点”についての説明もあったが、そもそもヲコト点の点の打ち方にいろんな流派があるというのも知らなかったし…。こういうことを勉強し始めたらはまりそうである。

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 満洲語版の『三国志演義』だって。中国語が振られているからわかるが、桃園の誓いの場面ですね。