原美術館に行ってきた。朝鮮半島の非武装地帯は、人が足を踏み入れられないことから、生物の豊かな楽園になっているそうだ。地雷や、政治的な課題を克服できたあかつきに、現代アーティストや建築家たちが、そこでなにかを作ろうという、“自然国家”というプロジェクトの紹介であった。──だが、そこまで感心できなかったのは、やはり、国家や民族の暴力的な分断という高度に政治的な問題と、それに伴う問題意識を、ぼくが皮膚感覚として共有できないからなのだろう。自然が残っているならそこになにも作らなくていいのでは…と思ってしまうのだった。最も共感できたのは、「恒久的な建築を作るのには反対、作るにしても朽ちるに任せる」という、『鳥の修道院』だった。
■原美術館>The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project
原美術館、もうすぐなくなってしまうのだよね。