night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

特別展「三国志」@東京国立博物館 7/13

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東京国立博物館日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」

 中国からたくさんの国家一級文物を借り受けて、三国時代の考古学的な紹介を展開しながら、それに並んで横山光輝三国志の原稿も展示されている、という趣向。──ぼくがぐっときたのは、川本喜八郎制作のNHK人形劇三国志の人形たちだった。

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優しい困り顔(?)の、劉備玄徳

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いかにも切れ者曹操孟徳

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若くて威勢のいい孫権仲謀

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曹丕献帝

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出ました、諸葛亮孔明先生でございます

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エピソード的には和みキャラ(?)、南蛮王孟獲

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悲運の文学青年、曹植

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 十万本の矢、という有名な故事になぞらえて…

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 これは本当に湖北省荊州市から出土した弩だということで、呉の黄武元年と刻まれているそうだ。…そういうものが本当に出てくるのだから中国という国はやはりすごい。

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 劉備曹操が戦った漢中の定軍山から、撒菱が出土する、というのにも感心してしまった。本当にそこで戦があったのだ。中国には古戦場の幽霊譚とかそういう文化はあるのだろうか。

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 三国時代の第四極、として公孫氏を取り上げていたのは興味深かった。日本列島を含む環日本海で出土する様式だそうだ。

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 蜀の硬貨。“直百五朱”とたしかに読める。“直”の字は最後の画が曲がらずに横棒一線になる、現代中国のそれと似た字形のようだが、そっちのほうが古い字形だったりするのかな?

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 呉の青磁

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 竹尺。今でもあるような竹の物差しと同じようなものが使われていたのね

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 銅鏡をしまっていた箱に何かの反故紙を敷いてあったために、当時の人の流麗な書体がたまたま残ったというもの。“姥医薬”とか読める。

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 これは呉の竹簡。

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 曹操の書いたものの拓本ですって。曹操張魯を破って漢中に進駐したときに書いたものだという。当時の人は本当にこういう隷書を書いたのだな、とも思うし、たっぷりとした雄大な字でもある。

 漢字文化のおかげで、3世紀の人の書いた字が今でも読めて意味が伝わる、っていうのは、すごいことだと思う。

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 「魏武王常所用挌虎大戟」。…しかし、これは本物なのかな?

 これらは近年発掘が進んで、学術的にほぼ確実に曹操の墓だということになった、河南省の“曹操高陵”の出土品である。

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 玉や瑪瑙の飾り。

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 曹操の墓から白磁が出た、ということで話題になった出土品。最古は6世紀と言われていた白磁の歴史を、大きく塗り替えてしまったというものである。

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 三国志自体にはそれほど詳しくないぼくも、とにかくこれは面白かった。ショップでは諸葛亮孔明先生の羽扇など売っていて、ちょっとほしいかも、とか思ってしまった。

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 三国志つながり?か、東洋館の展示品に、こんなものがあった。

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 戦前の台湾のタオ族のものだという、藤の蔓を編んで作られた、鎧と兜。南方の民族には本当にこういうものがあったのか、と驚いた。三国志の南蛮征伐の話に、“藤甲軍”っていうのが出てくるが、あれはあながち荒唐無稽な話でもないのかもしれない。