アリス・紗良・オットさんを見に、久しぶりのN響定期へ出かけた。ラヴェルのピアノ協奏曲、生で聴いたのは学生時代以来ではなかろうか。二楽章のどんよりしたところ、「灰色ワルツ」というフレーズが思い浮かぶ。とてもいい。オーケストラとの受け渡しに、指揮者だけでなくオケの奏者の方を食い入るように見ているのが印象的だった(あんな美人にあんなに見つめられたらやりにくいよね、とか思ってしまうくらい)。アリスさんは薄茶色みたいな丈の長いドレスに、ときおり、素足なのが見える。あ、ほんとにはだしで弾くんだ、なんて感心したりした。そこそこいい値段の席を奮発したけれどそれほどお顔はよく見えず、でも美人ですよね。前日はアンコールがあったようだけれど、この日はなかった。──後半はロメオとジュリエット。篠崎さんコンサートマスターのN響、旋律の歌いかたが嫌味にならず、とてもいいと思った。なんというか、基礎体力がある感じの演奏、というか。このへんは指揮者のカラーなのだろうか。
・ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
・プロコフィエフ/バレエ組曲「ロメオとジュリエット」
指揮:ジャナンドレア・ノセダ
ピアノ:アリス・紗良・オット