炎暑の日曜の午後、横浜へ。──さすが横浜美術館、ただのモネ展じゃなくて、モネはどちらかというと目くらまし(?)のような展示。カラフルな燕子花図のような中西夏之の作品、もやった色に飲み込まれそうになる根岸芳郎の作品、水野勝規の鮮やかな水面のヴィデオ作品などが印象に残った。
もちろん、肝心のモネもすばらしく…。『セーヌ川の日没、冬』は、氷が浮かぶ荒涼とした夕陽の光景で、見入ってしまう強さのある絵だ。だが、絶望と希望、みたいな解釈は、蛇足なのではないかな…。ただ美しく、迫ってくるものがあった、モネはきっと、描かざるを得なかったのではないか。──圧巻だったのは、晩年の『バラの小道の家』という作品。抽象的な色の暴力のようだが、老いたモネが見ていたのがこの色合いなのだ、と思うと、何とも言えないものがある。
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7月27日(金曜)は、上野の西洋美術館へ。『ミケランジェロと理想の身体』展を瞥見したが、大理石やブロンズの男性像が並び、ぼくの感覚からは特に“理想の身体”とも思われず、面白くはなし…。
常設展もひとまわりした。