night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

NHK交響楽団定期公演(第1873回/Aプログラム、第1874回/Cプログラム)@ NHKホール 12/2、12/9

 今年も、12月のN響は、シャルル・デュトワです。──まずは12/2(土)のAプログラム。新宿で買い物したあとに代々木のNHKホールに向かいました。


 NHKホール前の並木が、何やら異様な状態に…

 この日はオール・ラヴェルプログラムで、前半は、まず『古風なメヌエット』で、ふっと抜ける音色に胸が晴れ晴れとしました。『クープランの墓』のやわらかい音も…。そんなふうに、いいな!と思う瞬間はときどきあるものの、なんだか締まらないな、と思うところも…。後半は『道化師の朝の歌』、『スペイン狂詩曲』、最後は『ボレロ』でした。一番よかったのは『スペイン狂詩曲』でしたね。緻密で、でもどこか狂気を感じる。──『ボレロ』は金管に失敗が見られて、というかこの日は木管もけっこうトチっていて、あらあら、と思っていたのですが、一階上手側の座席から、弦楽器陣の演奏ぶりがよく見えましたし、迫力は堪能できました。終演後、ステージ上全員でスネア奏者の女性を称える流れでしたね。

 12/9(土)もNHKホールへ。この日は『火の鳥』です。鮮やかで、よかったのだけど、とにかくふわっとした『火の鳥』でした。速いところも、ゴリゴリ感が全然ない。それがいいのでしょうし、薬籠中ということかも知れませんが。この日よかったのは、前半のサン・サーンスのピアノ協奏曲でした。“エジプト風”という副題がついてますが、なんともどこ風でもない、やわらかい音楽で、実によかったですね…。この日、ピアノのジャン・イヴ・ティボーデのアンコールは、シューベルトの『クーペルヴィーザー・ワルツ 変ト長調』と書いてあったかな。

 両日とも、最後、にこにこと両手を振ってステージから退場する、デュトワでした。──デュトワ、毎年来てくれる、と思っていましたが、考えてみるとこの人ももう81歳。ぼくがデュトワを初めて見たのは1998年4月のN響で、思えばもう20年近く前のことです。指揮する姿は変わりありませんが、これから何度見られるのだろう、なんて…。


 NHKホール。変わらないたたずまい