night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

11/25(土)石山寺、三井寺

 翌朝は、大津のビジネスホテルでゆっくり起きたが、どこに行くかも決めていない。京都市内に戻ろうかとも思ったが、土曜日、どこに行っても混んでるだろうなあ、と億劫になり、せっかく大津に泊まったのだから大津の古刹をめぐろう、と思って、とりあえず浜大津駅へ。


 京阪浜大津駅。路上を電車が出入りする。

 浜大津からだと、北に行くと三井寺、南に行くと石山寺である。どちらに行くか迷っていたが、とりあえず石山寺に行く電車がやって来たので乗った。

 石山寺は、もうだいぶ昔に一度来たことがあるはずだがもはや記憶にない。瀬田川沿いで山に突き当たるようなところで京阪電車は終点になり、ぶらぶら歩いて行くと山門が現れた。


 奇岩の上に多宝塔が。


 紫式部先生がこもって源氏物語を書いたところとして有名だが、本当にこんな本堂の中に部屋を与えられて住んでいたのだろうか。


 見物客は少なくはないが、京都の市内よりもよほど落ち着いている。裏山の散策路を歩いて、門前に出てきた。

 鮒寿司をおみやげに買って、瀬田川沿いを歩く。


 瀬田川。こちらは琵琶湖の方向。


 そしてこちらが下流。…瀬田川は琵琶湖から発して、山地に向かって流れて行くような、不思議な川だ。


 瀬田の唐橋壬申の乱とか恵美押勝の乱とかの歴史を持つ、古代からの交通路である。今では県道が通っている。


 唐橋のそばにある水位観測所。レトロな観測機械が見える。

*

 JRの石山駅まで歩いてきた。駅の近くに金券ショップがいくつもあり、JRの近距離の回数券の自動販売機があって、地元の人がカジュアルに使っているのを見かける。これは関西の特色だと思うのだけれど、石山〜京都くらいの距離でも金券ショップで売ってるのか、と驚く。

 駅ビルの喫茶店で軽食を取ってから、改めて京阪電車に乗った。──今度は別所という駅で下車。大津市役所と皇子山運動公園に挟まれたあたりである。


 大津市歴史博物館。江戸時代の大津は膳所藩・堅田藩・幕府領の大津宿・園城寺領・石山寺領などが入り乱れていた、という知識を得る。


 三井寺こと園城寺。紅葉のトンネル的な場所もあったけれど、ここはもう盛りを過ぎていたかな。金堂では、小規模ながらもなんとライヴを行うようでセッティング中だった。本尊の後ろに回ると、旧い仏像が並んでおり、不思議な円空仏も何体かある。また、尊星王(そんじょうおう)立像という仏像が印象に残った。日輪や月輪を手にし、飄々とした姿で立つ。奇怪だが美しい。


 観音堂からの眺め。


 園城寺から出てきたところにあった神社の紅葉が美しかった。


 琵琶湖疏水沿いに歩くと、京阪の三井寺駅がある。…あっ、電車が来た


 浜大津駅に戻ってきた。

*

 このあと、JRの大津駅まで歩き、16時半頃に京都駅に出た。乗換口で特急券を買い、新幹線乗り場へ行ってみると、週末の夕方の京都駅はものすごい混雑で、どの売店にも土産物屋にもトイレにも長蛇の列ができていた。ホームも立ち止まれる場所を見つけるのに苦労するくらい混んでいる。やっとのことで柿の葉寿司と缶ビールを買い込んで、16時55分発の『のぞみ36号』で帰浜した。