night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

11/24(金)京都紅葉めぐり

 今回は、最初はふつうに金曜日の新幹線でふらりと行こうかと思っていたのだが、紅葉の盛りの京都、行けば歩き回りたくなって、時間が足りないよと思うことになるのが目に見えていたので、夜行で乗り込むことにした。──京都駅の烏丸口から七条京阪まで歩いて、京阪電車出町柳へ。そして、朝8時台にもかかわらずそこそこ混雑した叡山電車に乗って、八瀬比叡山口駅にたどり着いた。

 8時15分頃、叡山電車を下りた乗客は、ほぼ全員が、八瀬川の橋を渡って、砂利の駐車場みたいなところに設けられた、チケット売り場に向かう。前方にはすでに整列している観光客の大群が。──瑠璃光院の拝観待ちなのだった。8時20分集合(8時30分から拝観)という整理券を受け取り、チケットを買えた。


 瑠璃光院は、季節限定で公開されているお寺で、最近、大人気なのだそうだ。室内、正直なところ、満員電車状態で、写真なんか撮るどころの騒ぎじゃなかったのだけど…。

 入山のときに、ボールペンでなぞる写経が配られたので、家族の健康を願って奉納した。

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 瑠璃光院に付随して、なぜか『ルイ・イカール美術館』というフランスのアールデコ時代の画家の美術館があって、そこも瞥見してから、八瀬の駅まで戻ってきて、9時半過ぎ。この頃になると観光客でごった返しており、押しのけられながらやっと叡電に乗り込んだ。出町柳まで戻るつもりだったが、思い直して、宝ヶ池で下りて鞍馬方面へ一駅、八幡前で下車。


 三宅八幡


 さらに歩いて、岩倉実相院へ。京都もこのあたりまで来るとひなびてくるが、細い道路を容赦なく車が飛ばすので、暮らしやすい土地ではなさそう。岩倉実相院は、さすが門跡寺院で、奥まった山裾の土地に、立派な門構えである。お庭はちょっとモダンな印象。


 近くにあった、岩倉具視の旧居というところ。岩倉具視、特に歴史上で好きな人物ではないけれど…。

 岩倉から再び叡電に乗る。叡山電車は鞍馬に行く途中の“もみじのトンネル”が有名で、紅葉の時期は増発もしているのだが、2両の電車にバスツアーの団体客が乗っていたりして、ものすごい混雑になっていた。

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 出町柳の駅に吐き出されて、やれやれ、とロッテリアで一息入れた。この時点でお昼の12時過ぎ。外は寒風が落ち葉を巻き上げている。今日は空は晴れているのだが、とにかく寒い。お昼を過ぎて、だんだんと陽も翳ってきた。

 軽食を取ったあと、錦林車庫まで市バスに乗り、丘を登って、真如堂へ。

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 真如堂から、金戒光明寺に続く、墓地の中の道を歩く。


 “黒谷(くろだに)”と呼ばれる金戒光明寺は、浄土宗本山で、幕末に松平容保京都守護職の本陣としたところであり、会津藩士の墓所がある。地形的にも、京都の街を睥睨する、山城のようなところである。秋の特別公開中とのことで入ってみたところ、伊藤若冲の群鶏図がある。すっとぼけたような目つきの鶏に、なんだかおかしくなってしまった。


 塔頭の栄摂院。溜息が出るほど、見事な紅葉であった。

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 黒谷の山門をあとにする。ここまで来ると、岡崎公園平安神宮あたりに近い。