night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

10月の日々(シャガール展、“素心伝心”展、運慶展)

▼10/3(火)「シャガール 三次元の世界」@東京ステーションギャラリー
 シャガールの、陶器や彫刻といった立体制作と、絵画を並べて展示するという、面白い展示だった。陶器など、器と言いつつ実用はほとんど無視されてる(?)、おかしなものばかり。繰り返し現れるのは、抱き合って空を飛んでいるあのモチーフ…。絵画は、青の強い『Saint-Jean-Cap-Ferrat』、赤い牡牛が夜の闇を傲然と横切るような『バスティーユ』などが印象に残った。(公式サイト

▼10/15(日)「素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生」@東京藝術大学大学美術館
 たしか去年にもバーミヤンの天井壁画の展示がありましたね。東京藝術大学が進めている、シルクロードの遺跡の複製プロジェクトからの展示。(公式サイト


 まず、法隆寺釈迦三尊像、そして昭和24年に焼失した金堂の壁画が復元された部屋。これだけでもう、時空を超越したような、変な話だけれど、恐ろしいような気分になった。


 バーミヤン大仏の天井壁画。“天翔る太陽神”だそうだ。全体が撮れません! 鮮やかな青い空に飛ぶ鳩が印象的。


 高句麗の“江西大墓四神図”。薄暗い部屋に玄武や白虎が、うごめいているかのよう。


 敦煌莫高窟第57窟。ちょっとここは本当に感動してしまった。すばらしい。だって、敦煌莫高窟なんて、まず行けないじゃない…。

 東京藝術大学がやっているこうしたプロジェクトは本当にすばらしいもので、帰りにいくらか募金してきた。コインを入れるとぐるぐると回って、ぽとっと穴に落ちるしかけの募金箱、あれ、楽しいですね。

▼10/15(日)「運慶」@東京国立博物館 平成館
 東京国立博物館では『運慶』展を開催中。(公式サイト


 非常に混んでいたけれど、展示物が大きなものばかりなので、逆に圧迫感が少なかったかな。超人的な筋骨を誇る興福寺の四天王たちには、本当に感心した。あえて陰影を作り出すような照明もあいまって、木像なのに動きと力にあふれた存在に見えるのだ。これが鎌倉時代の造形なのだからすごい。──今年は5月に奈良国立博物館の快慶展にも行ったが、快慶はどちらかというと都ぶりで均整のとれた菩薩や如来を好んで刻み、運慶はこういう筋骨隆々かつ本当にそこにいる人のような相貌の仏像を、作った人だったのだね。考えてみると、運慶と快慶の特別展が東西で相次いで開かれたなんて、今年は面白い年だったなあ。