night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

10/8(日)〜10/9(月)札幌、そして岩手から帰京

 日曜日、この日は札幌で散歩する日だ。北辺の地から都会に戻ってきて、一回の旅行の中でもだいぶ違う感覚だ。すすきのから地下鉄に乗って、終点の真駒内へ。ニュータウンのような駅前のバス乗り場から、さらに路線バスで25分くらい、札幌芸術の森へ。道路はだいぶ混んでいて、地図を見るとこれは山地を越えて支笏湖に通じる国道だ。連休なので、行楽渋滞なのだろうか。札幌あたりもすっかり紅葉の季節である。

札幌芸術の森

 野外美術館を散歩した。ここは一度来てみたかったんだよね。


 いいね、この秋の公園の感じ


 水路をたどると、不思議な門が現れる。


 そして、森の奥には、謎めいたサークルが。ダニ・カラヴァン『隠された庭への道』。導かれた開拓の記憶、ということだろうか、などと思った。


 福田繁雄『椅子になって休もう』。どことなく愉快。


 一番後ろの人が一番キツいだろう(笑)雨露のせいで、心なしか冷や汗かいてる感じに。


 宮脇愛子『うつろひ』。宮脇愛子ってこういうものも作った人だったんだね


 いかにも、な感じの、佐藤忠良


 


 秋の色が豊か。いい季節に来たなあ。


 芸術の森の苑内、森の中にたたずむ洋館は、大正時代に建てられた、有島武郎の旧邸を移築したものだそうだ。しゃれたお宅です


 肌寒かったけど歩き回るにはよい陽気で、秋の野外美術館の散歩を楽しんだ。──前に行ったモエレ沼公園もそうだけど、札幌ってこういう土地があって、空間的にも文化的にも、豊かだよなあ。うらやましい。

 またバスで真駒内へ、そして地下鉄で札幌駅へ戻る。今では札幌でもSuicaが使えるようになっており、さらに、地下鉄と路線バスの乗り継ぎは、ICカードで乗ると、往復とも自動的に80円割引になった。

*

 この日はこのあと、札幌駅でカフェで時間をつぶしたり、大丸でおみやげにマルセイバターサンドなどを買い込んでから…


 札幌駅15時39分発の、特急『スーパー北斗18号』、函館行きに乗車。キハ261系の新しい車両のようだ。7両編成で、うち2両が自由席だったが、またしてもガラガラに空いていた。三連休中だぞ…? 鉄道がどうだとか言う前に、そもそも北海道内の移動需要が小さすぎるのだろう。こりゃ大変だよ、JR北海道は…。


 …などと思いつつ、快適な新型車両で、駅弁を食べながら。“石狩鮭めし”です。もちろんサッポロクラシックも。


 乗車券類。旭川→東京都区内の乗車券は、昨日の札幌で「(函)白石駅下車代 札幌」の印が押されている。途中下車の代印を押されたのは久しぶりだ(倉敷で「岡山駅代」を押されたとき以来だな)。──しかし、こうして見ると、やはり北海道新幹線の特急料金はかなり高い、と思ってしまうのだけど…。


 苫小牧を過ぎて、薄暮の太平洋を見つつ…


 新函館北斗駅に着いたのが19時08分。やれやれ、札幌から、たっぷり3時間半。長かった。──新函館北斗駅に来るのは昨年9月以来だが、駅前にホテルが一軒できていた。発展ですね


 19時37分発の北海道・東北新幹線はやぶさ96号』仙台行きで、津軽海峡を越えた。この日は北上で宿泊。──22時10分に北上に着いたが(それにしても、新幹線が通っても新函館と岩手の間で2時間以上かかるというのは、本当に、遠いんだよなあ)、なんだかだいぶ疲れており、東口の東横インなのに間違えて西口に出てしまったりして、てくてくと歩き、コンビニに寄ってからホテルに入ったのはやっと22時半過ぎだった。

 だが、札幌でこまごまと買い込んだおみやげを、紙袋ごと新幹線の車内の荷物棚に置き忘れてきていた。ホテルの部屋に落ち着き、さて…と思ったところで気付いて、ひとり歯噛みする、という状況で、大失態であった。やはり気が緩んでいたのだろう。反省、反省。──財布とかスマートフォンとか、そういう致命的なものを巻き込まなかっただけ、幸運だったと思うことにしよう。ぼくは紙袋とかを持っているとなんでもそれに突っ込むくせがあるので、スマートフォンとか入れてなくてよかった、と思ったのだった。

*

 翌日は、手土産を失くしたことを謝しつつ、久しぶりに会う家族に遊んでもらった。観光牧場へ…。


 羊さん


 角が立派で迫力がある。


 白い鹿。モンゴルの伝説みたい。人が近づくとバーッと群れで逃げてしまうのだけど。

 北上から夜の東北新幹線で東京に戻り、長い旅行が終わった。

*

 実に、5泊6日。国内でこれほど長く旅行したのは久しぶりだった。とくに出し惜しみもしなかったのだけど、それでも、宿泊費と交通費を合計しても12万円程度だった。海外旅行をするよりも安い。──車を運転しない人間が北海道を旅行するのは簡単ではないのはたしかだが、それでも、行きたいところに行けたし、息を呑む絶景を見たし、そしてなにより、“ひとたび人の手が入った土地が、自然に還っていくさま”を目の当たりにして、目を見開かされた旅行だった。