4月15日(土曜日)、午後遅くから起き出して、夕方の上野へ。「東京・春・音楽祭」というクラシックの連続公演イヴェント、毎年この時期に、けっこう昔からやっていると思いますが、チケットを取ったのは初めてでした。
ボリス・ギルトブルグというロシアのピアニストによる、オール・ラフマニノフプログラム、会場は上野の東京文化会館の小ホールです。ここもなかなか来る機会をもたない場所で、特に、小ホールに入るのは初めてだったと思います。
チケットはいまでも珍しい電子チケットで、ウェブで決済するとQRコードにアクセスでき、それを入場口でスキャン端末にかざすというものでした。入ってみると、ほぼ正方形の箱の、角の部分に舞台がある、特殊な形状のホールです。舞台には“FAZIOLI”という見慣れないブランドのピアノが置かれていました。ぼくの座席は、少し上手側なものの、2列目という、かなりよい位置。
東京・春・音楽祭 《24の前奏曲》シリーズ vol.6 ラフマニノフギルトブルグ氏、ピアノの前に座るやいなや、有名な『鐘』の強烈な和音から、性急にスタート。これを生で聴きたかったから来たのだけど、期待を裏切らない、凄味のある演奏で、ぞくぞくしました。そこから、聴衆に拍手をさせずに、前奏曲集へ。するすると布が流れるような様子を思わせる、ロマンティックな作品23と、後半の、どちらかというと硬質でモダンな作品32の対比も、興味深いものでした。・ラフマニノフ:24の前奏曲
・前奏曲 嬰ハ短調 op.3-2《鐘》
・10の前奏曲 op.23
・13の前奏曲 op.32-encore-
・スクリャービン:練習曲 op.2-1
・ラフマニノフ:《音の絵》op.39 no.6
・シューマン:ダヴィド同盟舞曲集よりno.14ボリス・ギルトブルグ(pf.)
よい空間で、ハイレヴェルな演奏を、四千円余りで聴けて、大満足。「東京春祭」、来年からも注目してみましょう。
東京文化会館の謎の空間。いまの建築だったら作られないであろうデッドスペース。こういうの好き(?)