night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

『世界の文字の物語』@古代オリエント博物館、ポンペイ展&『六本木クロッシング』@六本木ヒルズ 6/5

 休日、午後遅めからなんとか這い出して、上京する。──池袋で降りて、人でごった返している狭苦しい通りとサンシャインシティの中を歩き、古代オリエント博物館へ。

 アラム文字起源の突厥のルーニック文字など初めて見た。清朝の時代の流麗な満州文字の帛文、もちろん読めないがとても美しい。西夏文字の帛文にも感心する。よくこんなものが残っているものだ。──楔形文字ヒエログリフのスタンプで自分の名前を押してみよう! というコーナーもあって人が群がっていた。

 これを見終わった時点で夕方5時。山手線で戻って代々木から大江戸線で六本木へ。

*

東京新聞:世界遺産ポンペイの壁画展


 森アーツセンターギャラリーで、ポンペイの壁画の展示。丹のような赤い色や、この時代からすでに使われている遠近法、そしてエジプシャンブルーという鮮やかな空色。マイナスという可憐な天使。…なつめやしとか縛られたウズラとかを描いた静物画もあった。この時代からヨーロッパには静物画という分野があるのか。

 最後に展示されていた、『フェニックスと2羽のクジャク』という絵、これは食堂(レストラン?)の入口に飾られていたものらしいが、草花の中に戯画化されたキジのような大きな鳥、これがフェニックスなのだそうで、その下には向かい合ったクジャク、そして、"PHOENIX FELIX ET TV"というラテン語の文字がはっきりと読める。ラテン語というか現代のヨーロッパ言語としてもあまり違和感なく読めてしまう文章で("tv"と書いてあるのは"tu"だろう、uはvが字形変化したものだし、tuならイタリア語やフランス語に近い)、文字があってしかもそれが読めると、二千年が一気に飛び越えるような気持ちになる。


 52階から見る、薄暮の東京。特段の佳景だとも思わないのだけれど、高いところに来ると、ついつい写真を撮ってしまう。東京が美しいのではない、空が美しいのだ。

*

 余勢を駆って、森美術館の「六本木クロッシング2016」も一巡した。震災や戦争から反射した作品が多かった印象。だが、説明的な作品が多くて、特に心惹かれるようなものは見つけられなかったな…。文化庁メディア芸術祭でも見た『(不)可能な子供』の展示もあった。これはすごいよね。


 へんな機械、嫌いじゃない(笑)