night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

ミュージカル『1789 バスティーユの恋人たち』@帝国劇場5/1

 “フレンチ・ロック・ミュージカル”ですって。なんですか、それ。ということで帝国劇場に行ってきました。目当ては神田沙也加さん。引き当てた席は1階M列のいちばん下手寄りの端でした。何かの記憶で「帝国劇場の端って舞台が見切れるんじゃなかったっけ…」と思っていたのですが、行ってみると特にそんなこともありませんでした(何の記憶だったんだろう)。

帝国劇場『1789 バスティーユの恋人たち』

 客層はやはり女性が中心。休憩時間に入った瞬間、ぼくはヘタに下手寄りにいたのも相まって、お手洗いに殺到する市民たち(?)の群れに、文字どおりもみくちゃにされました。主役のロナンには、演技にも歌にもあまりいいところを感じなかったんだけど、そのへんは男のぼくと女性ファンの間には感覚の違いがあるんでしょうね。

 ロナンという青年が農村でひどい目に遭ってパリに出てきたらロベスピエールら革命派トリオと急に仲良くなり、マリー・アントワネットの侍女のオランプちゃんと急に恋に落ち、…という感じで、脚本には疑問を持たざるを得ない展開ばかりでしたが。。。生オケではなくカラオケでロック調の曲がかかり、群舞が魅力的なミュージカルです。兵士や、革命派のシトワイヤンさんたちが、客席の通路から走り込んできたりする演出も。面白かったのは、オランプちゃんファンクラブの3人(?)が状況説明するあいだ、時間が止まってるような場面があるじゃないですか。あのときに固まったまま動かされてる俳優さんたちの、ほんとうにまばたきもしないプロ魂、あれはすごいなと。

 プリンシパル・キャストでいいと思ったのは、ソニン。血を吐くような歌唱が、切迫感にあふれていて、見事に演じ切っていましたね。マリー・アントワネット役の凰稀かなめさんは宝塚の男役トップスター出身のかたですが、さすがに舞台映えがしますし、2幕での、自分の役割に気付いてしまったアントワネットの演技は、息を呑むものでした。オランプちゃん役の神田沙也加さん、この人は意外にも、台詞の発声にミュージカルっぽさがなく、こういうのって帝劇の保守的な客層に受け入れられるのかしら、とちらりと思いましたが、…声はきれいだし歌もうまい。大きな目で、表情の演技が映える人です。すごくしっかりした子に見えるので、かよわい感が無く、王妃さまといっしょにパレ・ロワイヤルにお忍びするところでも、特に不安感がないんですよね(王妃さまは王妃さまでいかにもすっくとしてるので)。これ、人によってはけっこう違う印象になるんじゃないかな。

 カーテンコールでは、神田沙也加さんがアルトワ伯役の吉野さんの背中をドンドン叩いてたり、ロナンの加藤和樹さんが凰稀かなめさんと神田沙也加さんの両手に花状態で悠々と引き揚げる…かと思いきや凰稀かなめさんの手を取って風のように去って行ってロナンしょんぼり、とかとか、神田沙也加さん大活躍でした。ああかわいい(笑) 神田沙也加さん初めて拝見しましたが、美人ですね。美人だ美人だとは思っていましたが、こんなに美人だとは。(笑)