night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

LFJ2015“PASSIONS”! 5/4

 LFJも最終日。5月4日(月曜日)です。

公演No.334 5/4(月・祝)ホールB5“ヒューム”16:15-17:10
J.S.バッハ音楽の捧げもの BWV1079
・《アンコール》ペルト:ファティマの3人の羊飼いの子
 ヴォックス・クラマンティス/ヤーン=エイク・トゥルヴェ(cond.)
 この日はまず、バッハの『音楽の捧げもの』を合唱でやる、という、不思議なものを見ました。これもホールB5、なぜかぼくはこの公演も最前列でした。“ヴォックス・クラマンティス”のみなさん、両側の会場の外から、グレゴリオ聖歌を歌いながらしずしずと入場。『音楽の捧げもの』の中から6曲、ミサ曲の歌詞をつけて歌い、間にグレゴリオ聖歌を挟む、という構成だったようです。全部で13人(だったかな?)。一人一人はそれほど技量が高いとは思えなかったのですが、…神に近い音楽であったように思います。いまの合唱業界(?)では、楽譜ではなくタブレット端末を持っている人もいるんだなあ、ということには感心しました。

*

 この後、いったん日比谷を離れて都内某所にこもり、20時半頃に再び有楽町駅に舞い戻りました。最終日の夜、国際フォーラムの中庭には、祭りも大詰め、といった感じのまったりした空気が流れています。──ハイネケンを一杯やってから、ホールAへ。

公演No.316 5/4(月・祝)ホールA“デカルト”21:00-22:00
プッチーニ:オペラ『ジャンニ・スキッキ』より「私のお父さん」
プッチーニ:オペラ『ラ・ボエーム』より「私の名前はミミ」
ドニゼッティ:オペラ『愛の妙薬』より「人知れぬ涙」
ヴェルディ:オペラ『ラ・トラヴィアータ』より「乾杯の歌」
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
・《ユリアンナ・アヴデーエワのアンコール》ショパン:ワルツ第5番変イ長調 op.42
マルケス:ダンソン第2番
・《アンコール》ヴェルディ:オペラ『ラ・トラヴィアータ』より「乾杯の歌」
・《アンコール》ブラームスハンガリー舞曲第5番
 アマンダ・パビアン(S)/アレッサンドロ・リベラトーレ(T)/ユリアンナ・アヴデーエワ(pf)/シンフォニア・ヴァルソヴィア/ロベルト・トレヴィーノ(cond.)
 ホールAの2階席の、かなり前の方に座りました。眺めがよい位置です。──LFJ東京2015、最後の夜のお祭りプログラム。前半はオペラのアリア集。体格の良い、いかにもオペラ歌手、という感じのアマンダ・パビアンが、文字どおりコロコロとした歌声を聞かせ、ひげ面のテノールのアレッサンドロ・リベラトーレと、「乾杯の歌」では手を取り合って歌い、お正月のようなおめでたいコンサートになりました。

 しかし、こう言ってはなんですが、このコンサートの目玉は、どう考えても、ユリアンナ・アヴデーエワのピアノです! 2010年のショパン・コンクールの優勝者で、その年の12月のN響定期でデュトワと共演したのを見ましたので、ぼくは5年ぶりになります。髪をアップにまとめて鼻すじが高く、パンツスタイルのシルエットに、ムーミンの「ミィ」を連想(^^; これは本当にすばらしいピアノだったと思います。あんまり力で押す感じの演奏スタイルじゃないと思うんだけど、攻めるところは強く、でもオケに渡すところはさらっとスムーズに渡していく。──1楽章が終わって盛大な拍手が起こってしまったあたり、ちょっと客層が変わったのかな?とも思いましたが、無理もないというか、これで拍手が起こっちゃうのは、ありだ、と思いました。

 拍手に呼ばれて何度も出てくるユリアンナが引っ込んだ流れで、ピアノを運ぶスタッフが出てきたのにも拍手が起こりかけて場内に失笑が広がったり…と、なんか変な空気も感じましたが、最後は『ダンソン第2番』というラテンのリズムの曲で大団円になりました。アンコールでは、歌手の2人が出てきて、もう一度「乾杯の歌」を、こんどは演技たっぷり多めに。アマンダ・パビアンの手を取ってひざまづいちゃったりして、客席に笑いが広がりました。

 お正月のガラ・コンサートのような、おめでたい感のある、楽しいコンサートでしたね。──今年のLFJ東京は、個人的には、ホールB5で謎の公演をチョイスできたり、聴きたいと思ったものが聴けて、3日間をそれぞれのスケジュールの中で楽しむことができました。そして、LFJと他の何かを積極的に組み合わせて行く、というのは、東京という街だからこそできる休日の楽しみ方なのかも知れないな。。。それに、LFJを三日とも何かしら聴きに行った、というのは、実はぼくも初めてのことで、満足の三日間でした。…が、まだ連休は終わっていません!