night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

坂本真綾20周年記念LIVE“FOLLOW ME”@さいたまスーパーアリーナ4/25

 坂本真綾さんの20周年記念という触れ込みのライヴ。会場は、まさかの、さいたまスーパーアリーナです。15周年ライヴ@日本武道館に参加したのが、もう5年前とはね…。それにしても、坂本さんがSSAでライヴ、というのが、まったくイメージわかなかったので、発表されたときはちょっと目をまるくしてしまいました。しかも菅野よう子さんの参加は事前にアナウンスされていて、これは一種のお祭りだなー、と。


 さいたま新都心駅で友人と合流し、会場へ。場外の“フォトブース”なんてのに長蛇の行列ができちゃっているあたり、ほんと、坂本さんのコンサートらしくない雰囲気(^^。──友人は先に入場し、ぼくはCD物販とグッズ物販に寄ってから入場しました。CD物販では、先ごろ出た「坂本真綾20周年記念トリビュートアルバム『REQUEST』」を、グッズはパンフレットとポストカードセットを購入。どちらも行列はできていたものの、意外にさくさく買えましたが、開演15分前くらいになって、グッズ物販は入場を締め切っていたようです。

 ぼくのチケットは見事にアリーナ席。西側の路上の入口から入場しました。席に着くと、パイプ椅子の背中に、ガムテープで留められた何かが…。これが噂の“FreFlow(フリフラ)”ってやつか。無線でコントロールされるLEDライトのユニットに、変形可能なプラスティックバンドが付いたもので、腕に巻いたり手に持ったりできるようですが、はて、これはどうやって持つのがいいんだろう、と、ためつすがめつしていました。──普段、坂本さんのコンサートに、光ものは、ほぼ見受けられないものなので、どこまではっちゃけていいんだろう、なんて考えてしまったり(笑)。

 そして開演。客電の落ちた会場に、満場のオーディエンスのフリフラが白く光って、どよめきが起きました。髪の長い坂本さんが登場。新曲に続いて、『マジックナンバー』『スクラップ』などのキラーチューンを立て続けにやってしまい、観客の温度も一気に上がった感じ。──最初のMCでは、「一日限りのお祭りへようこそ…」と話して、「ため息もこんなに大きく聞こえる」と、坂本さんもちょっと戸惑ってたのかなあ。しかし、たしか2回目くらいのMCで、「私のライヴで光るものがあるなんて…」とか言ってフリフラを制御できる棒を持ち出して、えい、と振ると客席中の色が変わる、というのを楽しんで(?)いた、坂本さんでした。「愚民ども!」とか言って(笑)

 その後、アリーナ中ほどのセンターステージに出てきてくれて、ギター、キーボード、パーカッションの編成で、『パイロット』を歌ってくれました。このときはぼくの座席からもかなり近い位置で、ちょっとどきどきしてしまいました。その編成で3曲、メインステージに戻ってフルメンバーで『coming up』を歌って、坂本さんは袖に消えて行きました。

 そして舞台から聞こえる、ピアノの音色。──菅野よう子さんの登場です!「ようこォー!」と声援が飛びます(^^。坂本さんに提供した過去曲たちを次々と弾き倒していく中で(あれほとんど即興みたいな感じなんだろうなあ)、坂本さん作曲の『everywhere』を菅野さんが弾いたときは、ちょっと深い感動がありました。スクリーンには菅野さんの姿が大写しになっていて、マイクインはしていないものの客席に向かって「こうちゃ。」などと曲名を語りかけている口の動きが見えます。そして、最後、『約束はいらない』を弾いたとき、スクリーンに映る菅野さんが、客席から歌声が沸き起こったのに、少し驚いたように「歌うの?」と言ったように見えました。「きみを、きみを、愛してる、心で、見つめている、きみを、きみを、信じてる、寒い夜も…」と、ジェスチャで歌詞をガイダンスする菅野さん。とっさにあれができるのは、すごい。ゲスト出演は最初からアナウンスされていたものの、この日、一言もマイクインではしゃべらなかった菅野さんでしたが、とても雄弁なステージでした。

 アンコールでは、まずセンターステージの上から屋根が下りてくる…と思ったらそこにはなんとドラムセットなどが格納されていて、そこにthe band apartがセンターステージから花道を歩いて登場し、バンアパ版『約束はいらない』を披露、続けて『Be mine!』を坂本さんが歌い倒しました。──アンコールの最中、バスが目的地に向かっていくバック映像、これはあのときの…と思っていたら、『eternal return』のイントロで、メインステージのバックに、2011年春のツアー“You can't catch me”のステージセットだったロンドンバスが出てきて、びっくり。震災のあった春のツアーで、途中でお蔵入りになった、あのバスでした。坂本さんにも知らされていないサプライズだったらしく、声を詰まらせる坂本さん。ちょっと内輪ネタ的な面もある演出でしたが、そこは坂本さん、いろんなオーディエンスがいることを承知の上で、説明を加えていましたね。あの春、坂本さんがどんな思いでツアーを続行していたか、そして、ファンであり観客の一人である自分が、どんなことを考えていたか、…と、いろいろなことを思い出して、ぼくも、客席に立って、深い思いを抱いていました。

 「20年間を振り返ると、後悔はひとつもない。」、「どの曲も好きだけど、強いて挙げるならいつでも“一番新しい曲”が一番好き。」と言い切った坂本さん。やはりこの人はぼくにとってカリスマです。──そして、坂本さん、本当に歌がうまくなりましたよね…失礼な言い方だとは思いますが、今になって“かぜよみ”ツアーの映像とか見ると、まったく別人じゃないか、という感じがします。『光あれ』での圧倒的な声量、かつ全くブレない歌唱は、本当に、すごかったですね。

 セットリストはこちら。

幸せについて私が知っている5つの方法
マジックナンバー
・スクラップ〜別れの詩
・ループ
・SAVED.
・色彩
tune the rainbow
パイロット
・指輪
奇跡の海
・coming up
・メドレー(菅野よう子さんピアノ)
 夜明けのオクターブ→紅茶→バイク→光の中へ→everywhere→Gift→ユッカ→Rule〜色褪せない日々→さいごの果実→Buddy→約束はいらない
・約束はいらない
・プラチナ
・光あれ
トライアングラー
ヘミソフィア
・レプリカ
マメシバ
・おかえりなさい
・風待ちジェット
・シンガーソングライター

-encore-
・約束はいらない(by the band apart
・Be mine!(with the band apart
・そのままでいいんだ
・eternal return
・これから
・ポケットを空にして