4/18(土曜日)はNHK交響楽団の定期公演へ。ひさしぶりのNHKホールです。いつものように小田急の代々木八幡駅から商店街を抜けて坂を上っていくのですが、代々木公園はアースデイのイヴェントで歩けないくらいの人混みになっているところをなんとかすり抜けて、ホールにたどり着きました。
・ラフマニノフ:ヴォカリーズフェドセーエフ氏、御年八十二歳。ご病気という話も聞いていましたが、無事の来日になりました。さすがに、メディアを通して知っている若々しいフェドセーエフではありませんでしたが、ときどき息の音を響かせながら(?)、独特のけれん味のある、不思議な演奏でした。
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
・バッハ:前奏曲 ロ短調 BWV855a(アンナ・ヴィニツカヤのアンコール)
・リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ
ピアノ:アンナ・ヴィニツカヤ
前半の、ピアノのアンナ・ヴィニツカヤは、うまいのだけど、ミスタッチも耳についたし、オケとも息があっていない感じで、ちょっと微妙だったかも。聴いていてひやひやする演奏だった、という感想に尽きるなあ。3楽章のフィナーレの入りのティンパニをドッカーン!と爆発させていたのにびっくり。
後半のシェヘラザード、これがすばらしい演奏でした。遅めのテンポで、ゆったりと雄大。歌わせるところでは、ちょっとくどくないかと思うほど、スケール大きく歌わせるのですが、本当に盛り上がるところでは意外なほどすっきりと流れていく、という感じがありました。これが絶妙なバランス(?)で、歌い上げるけれど、極端すぎない。だから演歌にはならない。…オーケストラもよくついていっていたと思います。ソリストのN響の篠崎さんは、体格に似合わず繊細な仕事を完璧にこなしていました。
N響は、たまに聴きに来るとかなり質の高い演奏に出くわすので、嬉しいですね。この日は人気公演だったようで、見事に完売の模様、ぼくも安いチケットを取ることができずN響ガイドに電話してA席を奮発したのですが、来てよかった、という満足感のあるコンサートでした。