night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

3/20(金)午後のお散歩

 午後、いったんホテルに戻り、もう一度出かけた。とくに目あてはなくて、ぶらぶらするだけ…。


 まずセーヌ川沿いに出て、東に向かうと、シテ島が見えてくる。


 ノートルダム大聖堂。14世紀のものだそうだ。中国人観光客と一緒に行列して、中を見学する。








 観光客で大混雑しているけれど、そんな喧騒はどこ吹く風、といったようで、宗教的な儀礼が行なわれていた。


 ぼくもろうそくをひとつ、おそなえしてきた。みんなが健康であるよう、お守りくださるように…


 反対側からはまったく違う建物に見えるのね。


 シテ島の狭い道路にはぎっしりと路上駐車されていて、レッカー移動している場面に遭遇。手際よく自動車を持ち上げて、あっという間に引っ張っていってしまう。周りの観光客も笑いながらカメラを構えていた。

*


 バスティーユ広場


 バラの花が5本で1.90ユーロ。百万本なら38万ユーロ、約5,320万円か…。貧しい絵描きも大変だけど、実は彼は資産家だったのではないか(?)



 シャルリー・エブド事件のときに市民のデモで埋まったという、共和国広場。革命の女神の像は、台座が貼り紙で薄汚れている。柄の良くない若者がたむろしてスケボーやBMXで遊んでいるが、老人が日向ぼっこしていたり、母親が子供を遊ばせたりもしている。


 “ジュ・スイ・シャルリー”の貼り紙は、市内のあちこちにまだ残っていた。この事件について思ったのは、日本とはお国柄が違いすぎて何とも言えないよ、ということだったけどね…。

 共和国広場から、パン屋さんで買い食いしたりしながら、オスマン大通りを西へ。


 こういう遺物が何気なく街路に残っているので、いちいち感心する。サン・ドニ門(ポルトサン・ドニ)。


 なぜかヨハン・シュトラウス2世の像。パリにいたこともあるのかな?

*


 オペラ座(オペラ・ガルニエ)だ! できれば中を見学したかったが…。怪人がいたはず!!(^^;


 ギリシャ神殿のような建物が見えてきた。重苦しい、異様な雰囲気で、最初、「何の霊廟だろう?」と思ったが、これが、マドレーヌ教会だ。──霊廟だと思ったのも無理はなく、これはナポレオンの時代に、戦没将兵の記念堂として竣工したものである。


 入ってみようかと石段を上ると、今日の20時からコンサートがあるというポスターが目についた。──このポスターは市内でも見かけていて、ヴィヴァルディのカトル・セゾンと書いてあるので、ああ、『四季』ね、と思っていたのだが、今日だったとは。いい機会なので、入ってみることにした。マドレーヌ教会ではわりと頻繁にコンサートをやっているらしい。少し時間をつぶしてから、チケット(30ユーロ)を買って、教会に入った。硬い木の椅子に座る。パンフレットを売りに来たので買った。3ユーロだったかな。

・W.A.Mozart - Une petite musique de nuit
・T.Albinoni - Adadio
・J.Pachelbel - Le Canon
・F.Schubert - Ave Maria
・J.Massenet - La Méditation de Thaïs
・Antonio Vivaldi - Les Quatre Saisons
Orchestre Les Violons de France
Frédéric Moreau, Violon solo

 弦楽四重奏によるコンサート。プログラムを見て、有名な曲ばかりなのはわかるけど、…“一つの小さな夜の音楽”? モーツァルトにそんな曲あったっけ? と思ってしまっていたのだが、何を隠そう『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』だった。いちばん最初の和音を聴いた瞬間に、ギャフンとしてしまった。フランス語で書かないでほしい(笑)

 堂に弦楽の音が響く。アヴェ・マリアからはイケメンソロ・ヴァイオリニストも登場した。教会は、コンサート会場としてはちょっと厳しいかな、と思ったけど、『四季』が終わるころにはけっこう引き込まれていた。


 すっかり夜になった。

*

 夜のコンコルド広場。ナポレオンがエジプトから持ってきたオベリスクが立っている。

 ──パリって道が入り組んでるし、空気は悪いし、なんかごみごみした汚い街だなあ、と思いながら、この日は歩いていたのだけど、ここ、コンコルド広場に立って、左手に先ほどのマドレーヌ教会、反対側にはセーヌ川の向こうに、同じようなギリシャ様式のファサードを持つ国民議会、そして、シャンゼリゼ通りのヘッドライトの海の彼方におぼろげに見える凱旋門、…という位置関係の真ん中に自分がいることに気付いたとき、…ああ、これがナポレオンが造ろうとした都なんだ、と、感じ入るものがあった。


 この日の夕食は、ホテルの近くのパブみたいなところで。なんとなくルパン三世みたいな(サルコジ前大統領に似ている)店員が、「おすすめはダックだよ! たった19ユーロ!」と言う。英語でduckと言っているのでアヒルなのだろうが、…安くはないし、アヒル肉って日本ではほぼ食べないものだけど、まあ中国ではふつうに食べるしな、と思って、それにした(まてよ、アヒルも鴨も英語だとどちらもduckか。鴨肉だと言われれば、ああそうか、という気になる(?))。ワインとあわせて28ユーロだったかな。肉は弾力があって、もぐもぐしてると、だいたいソースの味になる(笑)。たんまり出てくるポテトとパンをつまんでいると、適当におなかいっぱいになった。