night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

「ヒカリ展」@ 国立科学博物館 2/1、「双羊尊」@ 根津美術館・「新印象派」@ 東京都美術館 2/3

 2月1日(日曜日)、上野の国立科学博物館の『ヒカリ展』へ。太陽フレアや、オーロラが発光するしくみ。発光器官を持った海の生物たち。緑と赤に光る蛍光鉱物の禍々しさに驚きました。発光する生物の遺伝子を組み込んで、蚕に光る糸を吐かせたり、ぼんやりと光る花を作ってしまったりしている展示では、こんなことをしてしまって大丈夫なんだろうか? なんて思ってしまったりしました。

 おもしろい展示ではあるのだけれど、たとえば擬似オーロラ発生装置の説明、気圧を下げて高電圧をかけると電子と窒素分子が衝突して紫色に光ります、なんて言われても所詮文系のぼくには「うーん、わからん」という感じ。横の方で、説明も読まずに「これ紫っぽいってことは、窒素だね」「そうだね」なんて話している理系カップルがうらやましかったのでした(笑)。音声ガイドのナレーションは、坂本真綾さんです。

国立科学博物館>ヒカリ展 光のふしぎ、未知の輝きに迫る!

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 2月3日(火曜日)は、日中から時間ができてしまい、まず南青山の根津美術館へ。ここが所蔵する中国古代の青銅器のうち、“双羊尊”という双頭の羊の器がありますが、なんとそういう形のものはいまのところ2つしか発見されていないそうで、もう1つが大英博物館から来ているのだそうです。並べて展示されていましたが、根津の双羊尊のほうがどうやら見た目の状態はよく、形も洗練されているよう。大英博物館の双羊尊はごてごてとした装飾がついていて、どちらかというとおどろおどろしいですね。これらの双羊尊、出土地が“湖南省”と書いてあり、…ん? 湖南省ってことは…と頭の中に中国大陸の地図を描き、いわゆる中原の黄河文明のものじゃないということか、と気づきました。

 気になった展示物は、京都の泉屋博古館の所蔵だという、“虎卣”という西周時代の青銅器。口を開けた異形の化け物が、人間を抱きかかえて(人がしがみついているようにも見える)、まさに喰おうとしているような形。なんだこりゃ、としばらく見入ってしまいました。

 根津美術館の庭園、冬に入るのは初めてでしたが、ここは常緑樹が多いからこの季節でも枯れた感じがしません。ちょっと日当たりのいいところに新しくベンチができていて、ドイツ語の銘板がついていました。どうやら、亡くなったドイツ人(プロフェッサと書いてあったので、えらい先生なのでしょう)の寄附によって設置されたベンチのようです。外国ではこういう、故人のお気に入りの場所にベンチを寄贈するということがよく行われると聞きます。

 ぶらぶらしてからカフェで休憩。ほどよく空いていて、平日に来られた役得だなあ。

根津美術館特別展 動物礼讃 大英博物館から双羊尊がやってきた!

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 根津美術館を出てから、ぶらぶら歩いて青山墓地を突っ切り、乃木坂駅から千代田線に乗って、根津駅で下車(根津美術館から根津駅へ、というのもわかりにくいなあ)。折しもこの日は節分で、お囃子が聞こえてくると思ったら都立上野高校の裏のお寺でやっていて、通りがかりの外国人なんかが足を止めていました。

 東京都美術館、『新印象派』展へ。ポール・シニャックなどの、ドット絵のような点描の風景画が大量に並んでいて、これだけ集めちゃうと、なんだか茫洋とした感じの展覧会ではあったかも。アンリ・エドモン・クロスの描く木々の、奇妙な枝ぶりは、なんとなく不穏な空気。マクシミリアン・リュスという人の、夕暮れの港に舟の帆が黒々と立ち並んでいる情景の絵(『カマレの埠頭、フィニステール県』)に、はっとさせられました。

 この展覧会、ほどよく空いているいまのうちに行った方が、絶対にいいですね。点描の絵に、近づいてみたり遠ざかってみたり、自分の好きな角度とポジションで見られるのは、いまのうちだけなのではないでしょうか。

東京都美術館>新印象派─光と色のドラマ

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 上野公園は昔から何度も歩いているけれど、意外に来たことがなかった、上野東照宮。最近、復元が成ったものだと聞きます。時間が遅かったので拝観はしませんでしたが。