night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

坂本真綾さん朗読&ミニライヴ@イーハトーブ・アニメフェスティバル10/11

 坂本真綾さんが、岩手の花巻で行われるイヴェントで、宮沢賢治作品の朗読とミニライヴをするということなので、それに合わせて、岩手県に行ってきました。ぼくは岩手には縁故があるので、口実を作って出かけやすいというのもありましたし、せっかくの三連休なのでなかなか行けないようなところにも足を延ばしてみようかな、と思いながら、10月11日(土曜日)の午前、東北新幹線に。三連休だけに、新幹線は満席模様で、ぼくもさすがに往路の指定席は3日前に慌てて“えきねっと”でおさえました。──上野駅から、11時14分の『やまびこ163号』で出発して、3時間あまり。盛岡止まりの『やまびこ』、郡山から先は各駅停車。北に向かうにつれて先細りのように乗客が減っていき、新花巻でぼくが下りたら、ぼくが乗っていた車両は一両まるごと乗客がゼロになっていました。

 新花巻駅で迎えに来てくれた家族と落ち合って、会場の「宮沢賢治童話村」へ。ここは新幹線の新花巻駅から車で10分もかからないところにある(つまり花巻の市街地からは遠く離れている)、宮沢賢治記念館の隣にある広い公園で、芝生の広場に、存外に立派なステージが設営されていました。このイヴェントは、去年も開催されていましたが、「去年よりも立派になっている」との、家族談。というかこのイヴェント、去年はべつに“アニメフェステイバル”ではなかったはずなのですが、今年は高畑勲監督を呼んでトークショーとか、マニアックなアニメーション映画の上映会などのプログラムが用意されています。…というか、冷静に考えると宮沢賢治とアニメーションってべつに直接関係ないんじゃないかという話もありますが、「市役所のほうでそういうのが好きな人がいるんじゃないの」「『真綾さん呼んじゃえー』みたいな?」とかなんとか憶測も(笑)

イーハトーブ・アニメフェスティバル


 食べ物の屋台も出ていて、焼きそばだのモツ煮だの、ふうふう言いながら食べました。というか、寒いのです。いまは日が出ているからいいものの、空気が冷たくて、すでに若干紅葉模様でもあり、東京よりも1か月は季節が早いような感じです。これは夕方以降は震えるな、という予感がありました。ぼくはジャケットを着て来ましたが、真綾さん目当ての遠征勢が、総じて薄着な傾向があるように見えましたね(^^;。


 16時からスタート。今日の始発で来たという真綾さん(始発で来てこんな何もないところで今まで何してたんだろう、と家族談(笑)。いや、まあ、リハーサルとかあるでしょう、と^^;)、白っぽいざっくりしたニットに、前がオリーブグリーンで後ろがカーキ色?みたいなアースカラーのロングスカートでした。ギターのつまびきから始まって、まず宮沢賢治の『星めぐりの歌』。──そのあと、『どんぐりと山猫』の朗読、そして『うちゅうひこうしのうた』、『注文の多い料理店』の朗読、『Rule〜色褪せない日々〜』。作品がそうだからかもしれませんが真綾さんの朗読はけっこうコミカルで、あちこちに目線を投げながら、楽しいステージでした。そして、最近マレーシアに行ったら、マレー語で「マーヤ」は"universe"の意味だと教わった、というMCで、おおっ、と盛り上がる真綾勢。最後の歌は『ユニバース』でした。ギター1本と坂本さんの歌、イヤモニもしてないみたいだったしちょっとやりにくいのではないかな、と感じる瞬間もありましたが、背後にいるギターとよく合わせられるな、と思うような、職人芸的な上手さはありました。

 真綾さんのステージは1時間のプログラム、ですが10分くらい押していたのかな。次のプログラムは高畑勲監督のトークショーで、いったん休憩が入るのだろうけれど休憩のあとは観客がガクッと減るだろうな…高畑さんには失礼かもねえ…と心配していたのですが、舞台上は、真綾さんが高畑監督を呼び込んで、「初めてお会いしました」みたいな挨拶をして(坂本さんクラスの人でも高畑勲監督に会ったことがない、という事実にちょっと驚いたのですが)、バトンタッチする、という進行をしていました。ネクタイを締めて黒いコートを着て、新橋の仕事帰りのサラリーマンみたいな恰好でステージに現れた高畑監督の姿も微笑ましかったですが、結局のところは、真綾さんが退場すると観客もわらわらと捌けて行くことになり(高畑監督「あ…みなさんトイレ休憩かな?(苦笑)」)、高畑監督が気を悪くしなければよかったのですが。。。しかし、とにかく寒くて座っていられない、というのも正直なところでした。

 出口のところで煙草を吸っていたら、スタッフ「坂本さんお帰りでーす」。直帰していたようです。──ぼくは銀河モールで家族とお食事。
 家族「どうでしたか、坂本真綾さんの朗読は」
 ぼく「いやー、美人でしたねー」
 家族「…それだけか!(笑)」