night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

「新海誠展」@大岡信ことば館9/27

 中国旅行から帰国しましたが、ありがたいことに、夏休みはまだ続きます。よく晴れた土曜日、町田から特急ロマンスカーで小田原へ、そして普通列車を乗り継いで、三島へ。


 行かなくちゃ、とずっと思っていたのですが、やっと行ってきました。静岡県三島市東海道線三島駅の北口に、Z会の社屋に併設された“大岡信ことば館”という博物館があるそうですが、新海誠氏が今年、通信教育のZ会のCM『クロスロード』を手掛けたことにちなんで、そこで“新海誠展”が開かれています。──『言の葉の庭』『クロスロード』をメインに、絵コンテや背景美術のパネルが展示されており、映像コーナーでは『言の葉の庭』『彼女と彼女の猫』『秒速5センチメートル』などがループで流れていて、部屋に足を踏み入れたら、いましも『秒速』3話の最も核心的なシーンに突入するのに出くわして、瞬時に、つーっと涙が…(^^; ──『言の葉の庭』の趣意書の抜粋として掲げられていた新海監督の文章は、ちょっと心を打たれるものがあり、思わず一部を書き写しました。

…しかし「よって立つ場所を持たない」「歴史を持たない」ことは、この国で生きる現在の我々にとって、最初から設定されているパラメーター、所与の条件である。僕たちは不安定な時代に、不安定な気分で、文字通り揺れる足元の上で不安定に生きている。それでもなお日々美しいものを見つけるし、描くべき心の交流もある。だからこそ、拠り所のなさも孤独も受け入れた上で、それを肯定的に描く必要があるのだと思っている。
 新海誠“「言の葉の庭」──この作品について思うこと”(2012/09/22)より抜粋
 ぼくは新海監督のことは詩人だと思っていて、震災後の世界にこの人が何を放つのかが気になっていたのだけれど(実際には震災前から制作されていた『星を追う子ども』がまずリリースされて、あれは個人的にはあまり興味が持てなかったのだけれど)、“やがて壊れて無くなるものとしての東京”に生き、その風景を丹念に描き込みながらそこで何を綴ろうとしているのか、…この人の表現には信頼できるものがある、と改めて思いました。

 “大人になることとは、遠くに行く力を得ること”、という命題は、ちょっとぼくにはまぶしいな。結果的にどこにも行っていない、ぼくにとっては。──先月行われていた、『クロスロード』メイキングセミナーの映像が、おそらくほぼ全編流れていて、ずっと見ていたりしたら、けっこう時間が経っていました。また、1階では、新海監督・入野自由さん・花澤香菜さんのインタビュー(あれは『言の葉の庭』の特典映像か何かなのかな? あの作品はパッケージを買っていないので私は知らないのですが)が流れていて、話しながらにへら〜と笑う花澤さんの表情に、ちょっとだけ癒されました(笑)。

新海誠展 ―きみはこの世界の、はんぶん。― 2014年6月28日(土)〜2014年10月19日(日)

 三島駅の北口で一杯飲んでから、新幹線『こだま』号に飛び乗りました。続きは次のエントリ。