night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

晴れわたる香川への旅、そして NANA MIZUKI LIVE FLIGHT 2014 @さぬき市野外音楽広場テアトロン7/20

 水樹奈々さんの今年の全国ツアー、ファンクラブ先行でチケットを取っていたのは、初日の富士急コニファーとファイナルの横浜スタジアムだけで、確実に行ける関東圏に絞っていたのですが、一か所、どうしても心惹かれる公演がありました。7月20日(日曜日)の、香川県の“さぬき市野外音楽広場テアトロン”という会場。瀬戸内海に突き出した岬の突端にある円形の野外劇場なのです。

香川県さぬき市>さぬき市野外音楽広場テアトロン

 瀬戸内海の絶景が広がっているはず…行きたい! ファンクラブ先行の申込みの時は、なんとなく気持ちが守りに入っていて、スルーしてしまったのですが、やはりどうしても行きたくなって。結局、一般発売で最後まで買えた“芝生自由席”という券種を購入したのが、6月の中旬でした。──また、現地のシャトルバス券も、プレイガイドで購入。この会場は、最大1万人規模のキャパシティにもかかわらず、公共交通機関は存在せず、駐車場も無いため、興行が行われる際は、少し離れたところからシャトルバスが大量に出て、そのチケットをプレイガイドで売る、ということになっているようです。

*

 というわけで、三連休の中日である7月20日(日曜日)の朝、新横浜駅発7時29分の『のぞみ9号』博多行きで出発しました。関東は曇り模様、東海地方も所によって晴れたり曇ったりというはっきりしない天気でしたが、関西まで来ると青空が見えました。2時間半、9時58分に新神戸に到着。ぼくは久しぶりの関西ですが、ちょっと休憩してから、新神戸駅10時50分発の高松行きの高速路線バスに乗って、四国へ向かいます。


新神戸で乗り換えに時間があるときの個人的な定番(?)、布引の滝。歩いて10分足らずで、深山の雰囲気です

JR四国バスの、『高松エクスプレス神戸号』

 陸路で四国に行くには瀬戸大橋経由の鉄道で行くのが手っ取り早いのですが、行きと帰りで経路を変えてみたかったのと、目的地が香川県内でもさぬき市の志度であることから、表玄関の高松を通らずに関西から高速バスで直接志度に入ってしまうというのも面白そうだ、と思ったのでした。──高速バスは新神戸駅を発車すると、神戸の街を下って、三宮バスターミナルを経由します。阪神高速第二神明道路の渋滞が気になっていましたが、三宮バスターミナルを発車したところで、運転士氏が「阪神高速3号神戸線が渋滞しているため、7号北神戸線に迂回します」とアナウンスしました。てことは新神戸トンネルを通るということで、新神戸駅から乗っているぼくにとっては来た道を戻るようなことに…

 三宮バスターミナルを出ても高速バスの乗客は少なく、ゆったりと旅行できて幸いでした(奈々勢がけっこう乗ってくるのではないか、と想像していましたが、確認できた限りでは1人しかいませんでした。しかもその人は高速志度で降りずに高松駅まで行ったっぽい。)。阪神高速神戸線は気持ちよく流れていて、青空のもと、明石海峡大橋を渡り、淡路島に入りました。折しも、四国地方・中国地方が梅雨明けしたというニュースも入り、これは幸先がいいぞ、と嬉しくなります。──この前日にはあちこちの野外フェスが雷雨に襲われていたそうで、今日も野外なので不安はぬぐえなかったのでした。

 高速バスは神戸淡路鳴門自動車道の緑パーキングエリアで10分間の休憩を取ってから、大鳴門橋を渡って、いよいよ四国へ。


明石海峡大橋


緑パーキングエリア。すっかり真夏の陽射しになりました。ぼくは今回、調光レンズの眼鏡をかけていたのですが、紫外線を受けてサングラスに変わりました。



大鳴門橋! 高速道路から大塚国際美術館が見えます。竜宮城みたいなあれ(大塚製薬潮騒荘)も見えましたね
 
 高松自動車道の“高速志度”バス停で下車したのは13時15分頃でした。



 高速道路のバス停というのは、下りても何もなくて途方に暮れるような立地にあることが多いですが、ここもやはりそうで、田園地帯と民家があるだけ。。。通行人など誰一人おらず、案内板のようなものもありませんでした。しかし、今はGPSつきのスマートフォンという便利なものがあって、ナビに従いながら、民家や溜め池や水田の間を縫って歩くと、ほどなく国道11号線に出て、JR志度駅にたどり着きました。20分くらいだったかな。昔の旅行なら事前に詳細な地図を準備してこなければならなかったようなことが、今では手軽にできるようになっています。時代は変わったよね。



JR志度駅


琴電志度駅。奈々勢が集まり始めていました

*

 若干、観光を。



 86番札所、志度寺志度の古びた街並みを抜けて行くと五重塔が見えてきます。庭園に囲まれたお寺なのですが、庭園というか、どうも鬱蒼としていて、庭まであまり手が回っていないような感じがありました。──地元の人らしい夫婦が犬を連れてやってきて、本堂の前で手を合わせて真言を長々と唱えていました。もちろんお遍路さんもいましたが、地元の真言宗信仰というのもやはりあるんですね。




 訪れるまで知らなかったのですが、志度は平賀源内の生地だそうで、記念館と、“平賀源内生家”というのがありました。──なるほど、エレキテルですね。(^^; 鉱山開発をしたり、源内焼という彩色陶器を生産して殖産興業を目指したり、というアイディアマンだったようですが、…記念館に展示されていた源内焼の陶器は、芸術品としては残念ながらあまりレヴェルの高いものとは思われませんでした。

*

 さて、蒸し暑い中を歩き回ってだいぶ疲れたので、国道沿いのファミリーレストランで軽く食事をしてから、シャトルバス乗り場であるさぬき市役所に向かいました。──シャトルバスは大川観光という地元の会社が主催旅行の扱いで会員券を販売している、という立てつけになっています。海岸近くに建っているさぬき市役所ビル(けっこう新し目の建物でした)に近づくと、エントランスのあたりにツアーデスクという名の長机ができていて、大型観光バスが大量に駐車していました。見ると、ことでんバス琴参バスなどの、県内のいろいろなバス会社の車両が集められているようでした。


さぬき市役所前

 シャトルバスは満員まで乗せたら順次出発させていたらしく、15時35分頃にさぬき市役所を発車しました。瀬戸内ののどかな山道…はよいのですが、大型観光バスで1万人をピストン輸送するような道じゃない、というのはおそらくたしかで、この日は一般車とシャトルバスの接触事故も起きていた模様。地元の住民はどう思ってるんだろう、とちょっと心配になってしまったりもしました。

 シャトルバスを降りると、広い芝生の奥にグッズ売り場(どうやらテニスコートか何かだったらしい)があり、そして会場のテアトロンへはまだ徒歩です。──ここは大串岬、大串自然公園というところで、岬の一番高いところに、宿泊施設のような建物と、展望の開けた広い芝生があり、屋台なんかも出ていてました。奈々勢でごった返していましたが、…すばらしい眺望でした!



 このとき、対岸の岡山県内ではゲリラ豪雨のような天気だったらしく、雷雲がこっちに来なかったのは幸いでした。

 芝生広場の脇に、下りて行く階段の入口がありました。ここが入場口なのかと思いましたが、そうではなく、ずんずん下りて行った先にやっと入場口が。そしてさらにゆるやかに下りて行くと、すり鉢状の野外劇場が広がっていました。半円形の石段になった指定席エリアと、それを取り巻く斜面に、芝生自由席エリアがありました。──けっこう傾斜が厳しいので、これは立ちにくい&跳びにくいな、気をつけなくちゃ、とは思いました。芝生自由席エリア、左右の両翼はざっくりとロープで規制されており、芝生にもっと入れちゃうか、ゆったり使っちゃってもよかったのではないかなあ。

 セットリストはこちら。

・VIRGIN CODE
・残光のガイア
・NEXT ARCADIA
・Million Ways = One Destination
ETERNAL BLAZE
・(チェリーボーイズコーナー)
・Fun★Fun People
・ドラマティックラブ
笑顔の行方
・(サイコロ企画)MUGO・ん…色っぽい
・空時計
FATE
・(チームヨーダコーナー)
・GUILTY
・through the night
・夢幻
・アンティークナハトムジー
・(映像コーナー)
革命デュアリズム
・アパッショナート
POP MASTER
・Rock you baby!
・POWER GATE
・ミラクル☆フライト

-encore-
・JET PARK
・セツナキャパシティー
・DISCOTHEQUE

*

●ステージには、富士急で出ていたような大物セットは出ていませんでしたが、左右にはちゃんとスクリーンがしつらえられていて映像が出ていました。演者の上には大屋根がかけられていましたが、客席は、もし雨が降ったら全滅でしたね…。好天に恵まれて本当に良かったです。

●ぼくにとっては奈々さんの休業明けの最初のライヴでしたので、声の調子どうなのかな、と心配でしたが、ほとんど気になるところはなく、快調に飛ばしていましたね! 序盤から、『残光のガイア』、『NEXT ARCADIA』と、富士急では聴けなかった曲が次々と繰り出されて、ぼくはテンション沸騰していました。スクリーンに映る奈々さんのものすごいいい表情が…!(^^ ──ただ、途中、『アンティークナハトムジーク』ではちょっと「あれ…大丈夫かな」と思ったのですが。

●サイコロ企画は、聴いてみたかった、『MUGO・ん…色っぽい』でした。言わずと知れた工藤静香さんの曲ですが、曲中にマイクオフでなんかつぶやくところまでやっていたかどうかは、ちょっと遠かったのでわからず。ところでこの曲、往年の親衛隊のコールってどんな感じだったんでしょうね?「め、と、め、で、つーじあう(フッフー!)」とか入れなかったのかしら?(^^; 手さぐりで入れてみようかとも思いましたが、コールっぽいことをやっている人は見当たりませんでしたね。

●『アパッショナート』は、「準備はいいのか?」の奈々さんの投げかけ方がどんどん進化している気が…。めちゃくちゃ燃えました。

●この日のダンス曲パートは、『GUILTY』に続いて『through the night』。これはけっこう渋いセットリストだよねえ。驚きました。

●富士急のときに「チャイナドレスアレンジみたいな」と書いた黄色い衣装は、あれ、ふくらんだ3段フリルのミニスカートに、和服のつけ帯みたいなのが後ろについた、そして首回りがシースルーになっている、謎のデザインですね。このツアーの奈々さん、序盤のパイロットデザインみたいな衣装もかっこいいですが、赤の羽根のドレスがすごくいいですねえ。

●今ツアーの映像コーナーは、大雑把に説明すると、悠木碧さん(場所によっては中村悠一さんらしい)が奈々さんをイジるというものなのですが(^^;)、…この日は、奈々さんの「うーん、よく飛んだねえ、意外に飛んだねえ」に爆笑してしまいました(大雑把な説明)。

*

 そよそよと吹く海風を感じながら、気持ちの良い野外ライヴでした。──気づけば暗くなり、海の向こうの島の灯台がちかちかと光っています。対岸からこの会場の様子を見たら、どんなふうに見えるのだろう…。最後に大輪の花火が打ち上がって(今年は花火をよく見るなあ…^^;)、無事終演したのは、たしか20時35分くらいだったと思います。終盤、風が凪いだ時間帯があり、身体を動かしていたので汗が吹き出し、だいぶ消耗しました。


シャトルバス乗り場

 そんな状態で、大串岬からの撤退戦が開始です。──山の中で一万人規模の規制退場が始まりましたが、芝生自由席の客から真っ先に出されて、真っ暗な階段(投光器がいくつも設置されていましたが)を、ペンライトで足元を照らしながらぞろぞろと上りました。ぼくはこの時すでに体力的にかなり疲弊していて、下を向いて黙々と行軍。昼間は瀬戸内海の絶景に目を見張った芝生広場も、夜になるとただ虚無の空間が広がるだけで、ちょっと印象が違いますね。シャトルバス乗り場には長蛇の列ができていましたが、バスも大量に用意されており、一度に2台同時に客を乗せる、という方法で客をさばいていました(これ、けっこう大事なノウハウだと思います)。行列こそしましたが、ものの15分ほどでシャトルバスに乗ることができて、さぬき市役所前で下ろされたのは21時43分でした。

 …と、分単位で時間を気にしていたのは、ここから高松までの移動手段が、限られているため。。。この日は高松市内に泊まる予定でした。志度駅から高松に向かうJR高徳線は、21時48分の次が22時28分。琴電高松琴平電気鉄道)という2両編成の私鉄が、21時50分・22時00分・22時20分と出ていますが、琴電志度駅もホームに入りきらない行列になっており、「…だよね」、と思いながら急ぎ足でJR志度駅に向かいました。“志度横浜市内”の乗車券は昼のうちに買ってありました。

 21時48分のディーゼル列車が2両編成で到着し、駅の外まではみ出る行列についていたら、幸いにもなんだかふつうに乗れたので(発車は数分遅れましたが)、これに乗って高松駅に着くことができました。志度から高松まで、乗ってしまえば30分程度です。──高松駅は、ホームが頭端式になったターミナル駅。この時間でも予讃線の特急(遅れていたこの高徳線を待っていたらしい)や岡山行きの『マリンライナー』が顔を並べて発車を待っており、高徳線の車内では「今から岡山に帰る」という話をしている人もいました。志度駅は夜は無人駅だったので乗車券に入場印を押されず、高松駅の改札口で「途中下車します」と申告したら“そのまま通れ”というジェスチャーをされたので何も押されず、これだとこの切符、使用開始していないのと同じ状態だけどいいのかな、と思いつつ、高松駅の駅前広場に出ました。

 高松駅の近くにはビジネスホテルが多い一角がありますが、その方向に向かってライヴTを着た人々が一斉に信号を渡って歩いて行くという、一種異様な情景が繰り広げられていました。ぼくも中央通り沿いの東横インにチェックイン。──部屋でシャワーを浴びて着替え、また飛び出して、兵庫町のアーケードに歩み入りました。

 この日は、やはり東京から遠征してきた、同じ職場の友人と連絡を取って、ライオン通りの飲み屋で合流。高松市のこのあたりはアーケード商店街が東西南北に何本にもわたって広がっており、アーケードの下にいるとスマートフォンGPSが効かなくなってしまうので、場所の連絡にちょっと手間取ってしまいました。──友人と、その友人(ぼくは初対面でしたけど)と一緒に、骨付き鶏を食べながら、23時過ぎから27時前くらいまで、ライヴ後の異様なノリで痛飲しました。かなり面白かったですねえ。…“感情がハジける”www

*


 翌日もいい天気でした。帰路は観光旅行に切り替えるつもりではいたのですが、体力使いすぎ&ビール飲みすぎでどうしようもなく、東横インの料金に含まれている朝食もスルーしてしまう始末でした。再び友人たちと合流して、一緒にうどんを食べてから、アーケード商店街で別れました。彼らは昨日も飛行機で来ていて、この日も高松空港から羽田に帰るとのこと。



 ぼくは高松駅12時10分発の快速『マリンライナー』で瀬戸大橋を渡り、岡山から新幹線『ひかり』で新横浜まで帰りました。三連休の最終日、指定席もふつうに取れたので幸いでした。新幹線の中ではほとんど寝てしまいました。

*

 ところで今回のツアーでは、『Ladyspiker』と『僕らの未来』をどこの公演でも歌ってないようなのですが、ファイナルの横浜スタジアム、期待しちゃっていいのかな? 『僕らの未来』は特に、聴きたいんだけどなあ。