night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

3/20(木)ナショナル・ギャラリーからサウスバンクへ

 午後、トッテナム・コート・ロード駅から地下鉄でチャーリング・クロス(Charing Cross)駅に出て、歩いてトラファルガー広場へ。見上げてもよくわからないくらいの高さがあるネルソン提督記念碑がそびえ立ち、正面にあるのは、ナショナル・ギャラリー(The National Gallery)だ。ここも入場無料である。

 ターナーの黄色い夕暮れや、何かで見たことのあるヴェネツィアのドージェの肖像画なんかがある。歴史の教科書に出てくるリシュリュー枢機卿の巨大な肖像画もあった。レオナルド・ダ・ヴィンチの『岩窟の聖母(Virgin of the Rock)』や、日本では不思議と人気のあるフェルメールの絵も2枚、"A Young Woman Standing at a Virginal" と、"A Young Woman Seated at a Virginal" もあった(これらは、よいフェルメールかと言うと、微妙だけどね。。。)──個人的、ナショナル・ギャラリーの三大美人は、
・Peter Paul Rubens の『スザンナ』
・Jean-Marc Nattier の『Manon Balletti』
・Elisabeth Louise Vigree le Brun の自画像
の3名に決定。(^^

 さらに、ゴッホの『ひまわり』が、ここに所蔵されているものとアムステルダムの美術館にあるものが2つ並んで展示されるというイヴェントを開催中で、その展示室に入るための行列ができていた。これも無料とはすごい──無料、無料と何度も言うのもちょっと変だけど、日本ではほぼ考えられないことなのでやはり驚きがある。20分くらい並んだら展示室に入れた。ゴッホひまわりってほぼ同じ構図のものが数枚ある(たしか東京にも損保ジャパン美術館に1枚あるはず)のが知られていて、ロンドンのひまわりもアムステルダムのひまわりも同じ構図の同じ花を描いたものだろう。どちらがいいというものでもなく、比較は難しいけれど、ちょっと不思議な感じのする絵だと思うがどうだろうか。

 ショップで、家族へのおみやげに日本語のガイドブックや絵はがきなどを購入した。レジの店員の若い女性はなんと日本人で、にこやかに「7ポンド99ペンスです」と日本語で言ってくれた。外国で日本語を聞くとちょっと安心しますね。

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トラファルガー広場バグパイプのミュージシャン。

 トラファルガー広場から歩いて、官庁街を下る。英国政府の省庁や、首相官邸のあるダウニング・ストリートの入口なんかもある(さすがに鉄柵で警備されていた。東京で言えば霞が関とか永田町みたいなところですかね)。


 ダウニング・ストリートの入口の反対側で行われていた、ウクライナ支援デモ。横断幕には、"1938:Chamberlain-Hitler-WW2! 2014:Cameron-Putin-What If?"とあった。戦前の英国のいわゆる"Appeasement"という歴史的失敗を、鋭く衝くスローガンかも知れない。

 そういえば、トラファルガー広場では、中華民国国旗を掲げた台湾の留学生の一団が集まって、スローガンを掲げていた。実はぼくはそのとき、何が起きているのか知らなかったのだけれど、台湾ではちょうど学生による立法院占拠事件(いわゆる“太陽花学運”)が起きているところだった。本当に、ロンドンは世界中から人が集まる都市だ。

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 ビッグベンが見えてきて、ウェストミンスター・ブリッジを渡った。


 空模様がだんだん怪しくなってきたけど、さすがにここは記念撮影スポットだった。反対側にはロンドン水族館と、ロンドン・アイが見える。

 ウェストミンスター・ブリッジを渡ったところでスターバックスでラテを飲んで(休憩のついでに、フリーのWi-Fiが使えるので、今回の滞在中、スターバックスには何度もお世話になった)、テムズ川の南側のちょっとさびれたあたりを、テイト・モダンまで歩いた。

 スターバックスでは、トール・サイズ、カフェラッテ、プリーズ、…あ、テイク・アウェイ、とたどたどしく注文したら(2ポンド25ペンス)、「What's your name, sir?」と訊かれて、えっ、と思った。カップにサインペンで名前を書きこまれるのだけど、これって海外のスターバックスではふつうのことなのかな? ファースト・ネームを名乗ったら、その店員さんは日本語が少しわかるらしくて、ぼくの名前をひらがなで書いて、「こうか?」「うーん、あってる^^」(実は鏡文字だった)というやりとりがあった。

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 テイト・モダン(Tate Modern)に来てみた。発電所だった建物を使っているという、現代アート国立美術館だ。草間彌生の作品は見つからなかったなあ。


これは…う○こ…?(笑)


共産圏のプロパガンダ・ポスターも、ここに来ればモダンアート。

 ミレニアム・ブリッジという人道橋の向こうに、セント・ポールズ・カテドラルが見える。近くにはシェイクスピア劇の看板を掲げた芝居小屋があり、ああ、シェイクスピアをやってるんだねえ、さすが英国だねえ、と思ったが、後から調べたらなんとそれがグローブ座だった。それこそテューダー朝の時代からロンドンのサウスバンクにあるという芝居小屋である。たまげた。

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 ミレニアム・ブリッジを渡るとそこはシティ・オヴ・ロンドンのエリアで、夕方で仕事を終えた勤め人が大勢歩いている。セント・ポールズ・カテドラルには日を改めて行くことにして、騎馬警官とすれ違いながらしばらく歩き、ブラックフライアーズ(Blackfriars)駅から地下鉄に乗った。