night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

花澤香菜 live 2014“25”@川口総合文化センター リリア メインホール 4/20

 花澤香菜さんのライヴに行ってきました。花澤さんと言えば文字通り今をときめいちゃってるアイドル声優で、どのアニメを見ても花澤さんが出てる、というくらいの人気を誇っていますが、その一方で、昨年出した1stアルバムが、トガったクリエイタがよってたかってポップアイコンのアルバムを作っちゃいました!みたいなとても面白い作品になってて、話題になっていました。──今年出た『25』というアルバムは花澤さんの25歳の誕生日(の翌日でしたっけ)に2枚組・全25曲のアルバムを出しちゃう、というもので、なんか盛り上がっちゃってるなあ、と思いつつも購入し、そのアルバムの封入先行抽選でライヴのチケットを購入したのでした(ファミリーマートで発券するとき、イケメン店員さんに「花澤さんってこれ、ライヴですか?」と聞かれてびっくりしました。知名度が上がってるのねえ)。

 というわけで、埼玉県は川口市の、リリアホールへ。埼玉は遠いな…と思いつつも、川口は赤羽の次の駅ですから、新宿から30分もかからなくて便利です。日曜日の17時半頃、川口リリアのロビーに足を踏み入れました。花澤さんの現場に来るのは初めてなので(そもそも生で花澤さんを見るのも初めて)、どんな感じなのかなあ、と思っていましたが、客層はそれほど濃い感じではなく、女の子もそれなりの割合を占めているようでした。──花澤さんセレクトのカフェラテ(名付けて『カナラテ』)というのを売ってましたが、なんですかそれは(笑)。気にはなったものの物販はスルーして客席へ。ぼくの座席は、3階の正面かなり後方で、アルバム封入先行にはめられたな、という感じではあったかな…(^^;。開演前に提供企業のCMが流れたのがちょっと珍しく、『ゼウシくん』のCMで「国産のー、おーにくー♪」という歌が流れたときは笑ってしまいました。

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 紗幕の向こうから花澤さんが登場。アルバムのイントロ的なトラック『バースデイ』から始まりました。『25 Hours Day』で一気に客席があたたまり、見下ろす1階席はみんな立ち上がってピンクのペンライトを振っていましたが、…出たか、この、「上層階は遠さを感じちゃってなかなか立ち上がらない空気」!(^^; 後ろが立ったら立とうか、とか思っていましたが、ちょっと迷ったものの、『恋する惑星』からは立ってしまいました。ぼくが立ったら隣の女の子もバッて立ち上がったので、ああ、考えることは同じだな、と思いました。──花澤さんは、赤やいろんな色の模様が散ったドレス。後ろ髪が少し長くなったんですね。花かんむりをつけていてなんか某アニメのういはるっぽい感じ。片足けんけんで跳ね回る花澤さん、超かわいい!! このあと、たしか、白いドレス → ちょっと腰のふくらんだ褐色系のワンピース → アンコールではピンクのサマードレスみたいなの、に衣装替えしてたと思います。

 沈潜と疾走感を感じる乾いたバンドサウンドがかっこいい『マラソン』は、何の示し合わせもないはずなのにサビのエコーを客席のみんながコールしていました。これにはちょっと感動。──バンドは、RoundTableの北川さんがギター。北川さんは、坂本真綾さんのライヴでは役回り的にはどちらかというとボケというか、坂本さんに鋭くイジられるような感じがありますが、こちらではMCでの花澤さんのネタ(なんだっけ、“白雪姫の涙”でしたっけ?^^;)に北川さんがツッコミを入れる、という立ち位置になっていて、おお、逆だ…とちょっと感心(?)しました(坂本さんが何者をも寄せ付けないツッコミ女王である、というのもあるのかも?)。一方、北川さんが客席のコール(『Young Oh! Oh!』とか)を煽ってくれるもののオーディエンス側がちょっとおとなしくてあまりアツくならないようなところがありましたね。

 25曲もある大ヴォリュームのアルバムだけに、中盤は数曲をメドレー形式でちょっとずつ歌っていました。『flattery?』なんかはフルでしっかり聴きたかった感じもありましたけどね。──終盤、『last contrast』でエモーショナルに盛り上がったあと、『Good Conversation』でしっとり終わりました。

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 花澤さんのライヴは初めてでしたが、アルバムを聴いて魅かれたサウンドがしっかりとライヴで再現されていたのは驚きました。花澤さんのヴォーカルって、声量を張り上げたり情感を乗せて聴かせるようなタイプでは全然ないですし、その意味では彼女の歌自体というよりもそれに絡まるサウンドがいい仕事をしているとぼくは思っているのですが、アルバムの一曲ごとに作りこまれた虚構の世界(虚構って言うと語弊があるかも知れませんが、そりゃ虚構ですよ、『パパ、アイ・ラブ・ユー!!』なんていう曲でなんでぼくらが盛り上がるんだよ、という話です/笑)が、しっかりしたサウンドでステージ上に再現されていて、変な意味で舌を巻きました。──作りこんだ世界、という点で言うと、花澤さんのアルバムって、男性クリエイタが作った男子目線の歌詞(こんどのアルバムで言うと『last contrast』などはすごくそうだと思う、あれって明らかに“男子が考える女子”の歌だもんね。しかもサウンドシューゲイザーっていう!)を彼女の独特の声で歌われることで生まれる世界、ってすごくズルいと言うか、ムズムズするものを感じますが、それも彼女はステージでしっかり演じてるし、作り上げられてるんだよなあ。

 そして、お花畑的な、花澤さんの立ち振る舞いのかわいさ(^^。──ぼくにとっては花澤さんは自分よりもずっと年下なので、かわいい女の子が楽しそうにやってるなあ、的にリラックスして見てる感じがあるのは否めません。少なくとも、その前日に行った茅原さんのライヴのように、「自分と同世代のこの子がこれからどうなっていくんだろう」みたいな変な気負った目で見ていないな、というのはなんとなく自覚しました。どちらがいいとかよくないとかいう問題ではなく、自分の見る目の話ですけどね。

 ライヴシーンとして見ると、動物園的な客席の体力系ライヴと、地蔵系客席のおとなしいコンサートの、中間的な感じでした。ライヴ中は1階席なんかはけっこうフリーダムな感じに見えたし、お約束の裏拍コールもときどき入れるし、ペンライトも振るし、…という感じでしたが、その一方で手拍子がダラダラと続いてしまう感じや、演者が煽ってくるから「あ、盛り上がっていいんだ」、みたいな雰囲気もあり、どっちつかずの揺れる客層(?)を感じました。アンコールを求めるときに、まず拍手から続く手拍子(クラシック的なアンコールの求め方)が始まったもののすぐに「アンコール!」コール(ヲタク系的なアンコールの求め方)に覆われたところもちょっと苦笑。声の大きいやつが空気を作っちゃう、というか。終演後の三本締めも、ああ、やるんだ、って感じでした(笑)。この先、どっちの方向に進んでいくのか、ちょっと気になります(?)。

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 セットリストはこちら。

・バースデイ
・25 Hours a Day
恋する惑星
・Brand new days
・マラソン
・YESTERDAY BOYFRIEND
・Summer Sunset
・片思いが世界を救う
・無邪気なキミと真夏のメロディ
・パパ、アイ・ラブ・ユー!!
・メドレー(flattery? → Waltz for Praha → ダエンケイ → 真夜中の秘密会議 → 同心円上のディスタンス → Merry Go Round)
・Young Oh! Oh!
・Make a Difference
・Eeny, meeny, miny, moe
スパニッシュ・アパートメント
・last contrast
・Good Conversation

-encore-
星空☆ディスティネーション
・Saturday Night Musical♪
・あるいていこう

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