night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

ルート・ブリュック展 @東京ステーションギャラリー 6/16

 新宿から中央線で東京駅に出て、少し迷ったが、会期最終日の『ルート・ブリュック展』へ。丸の内北口東京ステーションギャラリーの、入口から行列が延びていた。10分ほど並んでから入館できた。

東京ステーションギャラリールート・ブリュック展

 戦前から戦後にかけてのフィンランドの陶芸作家の展示なのだが、混んでいたし、撮影可の3階はもはや無法地帯状態に近かった。だけど、たしかに、独特のかわいさがあるよね…

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 深い緑色の透明な釉薬が、本当にきれいなのだ。写真に撮るとどうもその美しさが出ない。

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 新居昭乃さんのライヴのアートワークを思い出した。

 しかし、戦後になってからの、一転して抽象的な作品たちのほうが、すごかった。小さなタイルを敷き詰めて構成された、ミニマリズムっぽい平面。リズムのようで、音楽的でもある。じっくりなぞって見たい展示だったが、とにかく混んでいたのは残念ではあった。もっと早く来なくちゃいけなかったな。

シャルル=フランソワ・ドービニー展 @損保ジャパン日本興亜美術館 6/16

 新宿の損保ジャパン美術館へ。高層ビルの42階にあるこの美術館は近々閉館予定で、隣接した敷地に新しい美術館を建設中だ。

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 この新宿のパノラマも、見られなくなるのかなあ

東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館>シャルル=フランソワ・ドービニー展 バルビゾン派から印象派への架け橋

 シャルル=フランソワ・ドービニーとは、聞いたことがあるような、ないような…という名前だったが、バルビゾン派と言われる画家である。展示の冒頭にはコローなどの他の画家の作品がいくつか並んでいた。コローは好きな画家なんだけど、この人の絵の空気感はやはり後年の方が出ているなあ、と思う。──ドービニーは、水辺の風景画で有名な人らしく、正直言って似たような絵がいくつも並び、あまり面白みがない…のだが、『オワーズ河畔、夜明け』『オワーズ川のほとりの村』や、濃い色の絵具が筆触分割のように置かれた『森の中の小川』などが印象に残った。

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 女性が3人、釣りをして遊んでるのかな? 深い森を、抜けるような空間で描いている、『ヴァルモンドワの森の中』。これは撮影可のパネル。

 興味深かったのは、ドービニーがボタン号という小舟を買って、スケッチしながら川をめぐって旅をしていたというエピソード。そのスケッチ旅行の様子を版画集にしたものが展示されていたが、魚がたくさん水面から跳び跳ねていたりして、面白おかしく描いている。舟で食事をしたり、眠ったり…、連想したのは『水曜どうでしょう』とか(?)。──そして、その旅日記には同行者の“見習水夫”が出てくるのだが、それが実はドービニーの息子であったことが、展示の最後に明かされる。その息子も長じて画家になり、木によりかかって座る姉を遠景で描いた、美しい絵があった。

6/9(日)尾瀬ハイキング(3)

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 とにかく水芭蕉の大群落。見渡す限り白いのが全部水芭蕉である。紙くずが散らばっているわけではない。

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 リュウキンカといっしょに咲いているのは、好ましい。

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 森の中を歩いて、東電小屋に至る。見晴からここまで30分ほど。

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 ツアーでもらったまいたけご飯のお弁当を食べた。これはうまかった。

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 この日は朝から、曇っているし少し肌寒いけれど日が昇れば多少なりとも気温が上がるのでは、と思いながら歩いていたが、なかなか気温は上がらず、風も出てきて寒いので、ここで一枚着込んだ。

 まだ11時過ぎだが、ここからはまっすぐ、山ノ鼻、そして鳩待峠まで戻る。鳩待峠まで3時間弱と思われる。

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 ヨッピ吊橋を渡る。

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 もさもさしたゼンマイ。

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 至仏山には雪渓が見える。

 牛首分岐で立ち止まって水分補給したくらいで、ほぼ休みなく山ノ鼻まで戻った。ちょうどお昼過ぎで、高尾山のような混雑ぶりになっており、山ノ鼻から鳩待峠までの登りは、もはや数珠つなぎの渋滞だった。しかも、徐々に雨がちになってきて、日帰りバスツアーの客が、ビニール傘をさして歩いていたりする。登りは少しきついが、木道や階段は整備されている。──ただ、これは尾瀬ヶ原全般に言えることだと思うが、景色や花に見とれて木道を踏み外す危険があり、気を付けないといけないと思った。

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 鳩待峠に戻ってきたのは13時25分だった。雲の中に入ってしまったようで、真っ白だった。思ったよりもだいぶ早く着いた。──思わず売店で缶ビールを買って飲んでしまったが、そのせいでか、下山のバスで車に酔い、沼田駅に着いたときは半死半生であった。

 この日、メモしていた行程タイムは、以下のとおり。事前に地図などを見て計画していたよりも、比較的さくさくと歩いた。

鳩待峠駐車場7:19→山ノ鼻8:05着/8:10発→牛首分岐8:45→竜宮十字路9:12→見晴9:45着/10:21発→東電小屋10:50着/11:10発→ヨッピ吊橋11:20→牛首分岐11:48着/11:51発→山ノ鼻12:20着/12:31発→鳩待峠13:25

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 沼田駅。駅前のデイリーヤマザキの一角で、おばあちゃんが串に刺した焼きまんじゅうを売っていて、並んで買っていたら、改札が開いたらしくツアー客がみんな駅に入ってしまって、取り残されるところだった。

*

 今回のこのツアーは、クラブツーリズム社のものだった。この会社は、年に一度か二度、こういった貸切列車の尾瀬のツアーを仕立てているのを、前から知っていたが、今回、この列車だけでもたしか370人と言っていたか…、すごい規模である。横浜駅で集合した時の添乗員さんが鳩待峠まで同行し、帰りもその人が終点まで乗っていた。シーズン中は、クラブツーリズム社だけでなんと一日平均700人を尾瀬に入山させているそうで、鳩待峠に社員を常駐させていると言っていた。たいしたものだ。クラブツーリズムはどちらかというとお金のある高齢者のための手厚いツアーを組む会社というイメージがあるし、尾瀬は、関越交通の高速路線バスが首都圏から直通で出ているくらいで、その気になれば自分で行くことは全く難しくないところだが、ツアーで黙っていても送迎してくれて、お弁当も用意してくれて…というのは、間違いなく楽だ。

 あと、往路の車内では、添乗員さんは、他の参加者との会話で、鳩待峠から入って竜宮小屋あたりまで行くのが限界ですよ、と話していたが、さすがにそれはないだろうとは思っていて、ぼくは見晴から東電小屋を廻って鳩待峠に無理なく戻ってきた。ハイキング自体はフリーなので、特に問題はない。ただ、登山ツアーではないので、至仏山などには登るのはダメ、ということになっているようだ。

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 臨時列車はどこかから回送でやってきて、ここで客を乗せてすぐ発車した。スマートフォンで撮りまくる人々。「団体」って書いてあるだけなんだけどね…。

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 帰りの団体臨時列車は、沼田駅を16時45分に発車。車内ではもちろん、缶ビールを開けて…。往路のうちに注文しておいたオプションのお弁当が配られた。これが、だいぶボリュームもあっておいしかった。さすがクラツー、弁当のチョイスも信頼できる…(?)

 往路は横浜駅から乗ったが、帰りは早く帰りたいので、添乗員さんに話して、19時51分の新宿駅で降ろしてもらった。新宿下車組の添乗員さんにくっついてぞろぞろと南口の改札を出たところで流れ解散になり、そのまま小田急の乗り場に向かうと、20時00分の特急ロマンスカーに乗れた。

*

 尾瀬は、前から一度行ってみたいと思っていたところだった。天気はよくはなかったが、大雨に遭うこともなく、水芭蕉が咲き乱れる湿原の散策を堪能できて、とてもよかった。こんなすばらしい山中に、計画さえすれば簡単に足を踏み入れることができるというのは、貴重なことである。──夏にはニッコウキスゲが咲き、秋には紅葉が彩るという。一度だけではだめだなあ。…福島県側の尾瀬沼にも行ってみたいし、またいつか計画してみたいと思った。

6/9(日)尾瀬ハイキング(2)

 いよいよ尾瀬ヶ原に足を踏み入れる。──驚いた。風景が一変した。

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 水芭蕉がそこらじゅうに咲き乱れている。これが尾瀬の湿原か…。

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 この時期はもう、大きくなって、とうの立った状態で、もっと小さいほうが可愛らしさがあるのだけれど。──けれど、ぼくは水芭蕉の花を初めて見た。

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 右の森からも左の森からも、カッコウの声がする。鳴き終わって飛び立つ姿も見えた。

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 左右を山に挟まれて広がる湿原。箱庭のような、不思議なところだ。──雲がかかっていて見えなかったが、燧ケ岳が真正面に見えるはずなのだ。このあと、一瞬だけ雲が薄くなったときがあり、肩をいからせたような山容が垣間見えたことがあった。

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 草を浸して、豊かな水が流れる。タルコフスキーの映画のよう。

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 牛首分岐を通り過ぎて東に歩き続け、竜宮小屋が見えてきた。

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 黄色い花は、リュウキンカのようです

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 たぶん、ニリンソウ

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 尾瀬ヶ原は群馬・福島・新潟の3県に及んでいて、この日はそれらをまたにかけて歩いたことになる。

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 新潟県の方向の空が少し晴れてきたけれど…。

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 見晴に着いたのが9時45分だった。山小屋が数軒あって、後ろの方にはテントサイトもあるようだ。山小屋でカップヌードルを買って食べた。ここは尾瀬ヶ原の湿原の東端近くにあたる。福島県側の尾瀬沼の方から入ってくると、ここで尾瀬ヶ原に出ることになるので、広々とした湿原を見晴らした登山者のグループが歓声を上げていた。その気持ち、わかる。

 尾瀬ヶ原、鳩待峠から牛首分岐あたりまでは人が多かったが、ここまで来ると人も少なく、落ち着いていて、実によい。──見晴で30分ほど休憩してから、また歩き始めた。

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 ときどき、こんなふうに、湿原が油で汚染されているのが、残念ではある。どうやら、山小屋の近くで、このような汚染が見られるように思われる。山小屋は重油で発電しているようだし、やはり人が入ると、汚染は避けられないのだろうか…。

6/9(日)尾瀬ハイキング(1)

 夜行日帰りのツアーに参加して、尾瀬に行くことにした。尾瀬はもう何年も前から、一度行ってみたいと思っていたのだが、ちょうど水芭蕉などが咲いて人気になるこの時期は、例年忙しくて、気が紛れてしまっていた。しかし今年は、1か月くらい前に、ちょうど目についた日程で申し込んで、出かけることになった。

 尾瀬は、山小屋に宿泊するようなプランもあるが、首都圏からだと、沼田側の入口である鳩待峠に、朝に着いて午後から夕方に下りるような、夜行日帰りのバスツアーなどがたくさんある。ぼくが申し込んだのは、ちょっと珍しい、団体臨時列車で、前夜に首都圏を出発して、早朝の沼田駅からバスで鳩待峠に入り、7時間ほどハイキングする時間があって、帰りも団体列車で帰ってくる、というもの。──列車は平塚が始発らしく、横浜、川崎、新宿、大宮などで乗車できるが、ぼくは横浜駅で乗ることにしてみた。

 6月8日(土曜)の夜、横浜駅の東側のルミネあたりで22時10分に集合した。山に向かう格好で固めたツアー客たちは、やはり年齢層は高い。団体でぞろぞろと改札を通って、東海道線のホームに上がる。狭いところに団体が集まって、ちょっと危ないなあと思う。

 団体臨時列車は22時31分に横浜を出発した。列車はE257系で、つい最近まで中央線の特急で走っていた車両である。単独参加だからか、2席を一人で占めることができて、気分的には楽だった。品川で東海道線下りのホームに入ったかと思えば、ここから新宿を経由するので、進行方向が変わる。車内ではざわざわと座席の向きを転換する。

 大宮を出たのが23時57分だった。昔、上野から急行能登っていうのに乗ったとき、24時頃に大宮を発車して1時過ぎに高崎だったなあ、などと思い出すが、この団体臨時列車は、沼田に着くのが5時40分だと言っているので、時間はあり余っている。桶川で貨物列車を先に通し、熊谷で高崎行きの最終列車を先に通し、そして1時50分頃に新前橋に着くと、ぴくりとも動かなくなった。──ろくに走らない“夜行列車”に乗っているというのも、気分的にはなんとなく慣れないものがある。夜行列車は、昔、よく乗ったほうだとは思うが、この、座席の寝苦しさみたいなものは、移動手段として、目的地に向かって前に進んでいるからこそ耐えられる、というところがあって、ずっと停まっているというのは、なんとなく納得できないような、不思議な気分がしてしまうのだった。

*

 夜が明けて沼田駅に着き、団体客が大挙して下りた。駅の職員さんたちが、歓迎の横断幕で出迎えている。この臨時列車は、尾瀬に向かう複数のツアーが利用しており、沼田の駅前には、小型バスの大群が集結していた。尾瀬の鳩待峠には大型バスが入れないため、寸詰まりになった小型のバスで向かうことになる(バスツアーでも、戸倉で乗換になるのだと思う)。たしか17台と言っていたか。大変な数である。鳩待峠までは1時間以上かかる。狭く乗り心地の悪いバスでじっとしているのは若干苦行であった。途中の道の駅で、お弁当を積み込んだらしい。

 鳩待峠の駐車場に着いたのは7時15分頃だった。ここで、帰りの集合時刻「14時20分」が初めてアナウンスされた。なるほど、“尾瀬ヶ原で7時間”というツアーの宣伝文句を確保しなければならず、しかし場合によっては鳩待峠の駐車場に着くまでに渋滞してしまう場合があるからだろう。

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 鳩待峠。天気はよくないが、雨が降っていないだけ幸運だ。

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 ここから歩き始めるけれど、登山道はいきなり下り始める。

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 歩荷のあんちゃんも歩いている。早くも水芭蕉が現れ始めた。

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 1時間弱で山ノ鼻に着いた。ここでトイレに寄る。

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 イワツバメだそうだ。山小屋の軒に巣を作っているらしく、さかんに飛び交っている。

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 寒暖計は13℃をさしている。

「バレル・コレクション」@ Bunkamuraザ・ミュージアム 5/26

 目黒区美術館に行ったあと、山手通り沿いから路線バスに乗って、道玄坂上から歩いて、渋谷の東急Bunkamuraへ。

Bunkamuraザ・ミュージアム印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション

 スコットランドの海運業の実業家のコレクションだそうだ。とてもセンスのよい人だったようで、落ち着いた、よい絵ばかり。展示の目玉はドガの『リハーサル』のようだが、瞬間を撮ったような、ちょっと窃視的とも言える、面白い絵だ。ルノワールの、どちらかというと晩年の、明るい庭の絵も、揺らいだような視界に見とれてしまう。

 いくつかは撮影可能な作品も。

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 アンリ・ル・シダネル。『月明かりの入り江』。

 アンリ・ル・シダネルは、『雪』という、夜の村の広場に雪が降り積む絵が、幻想的でとてもよかった。ル・シダネルって、あちこちの美術館で見かけるわりには、あまりまとまってみる機会はないという印象があるけれど、はっとするような絵が多い画家のような気がする。

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 クールベの『マドモワゼル・オーブ・ドゥ・ラ・オルド』。くっきり男前な美人。クールベという画家は、古典的なのか、いっちゃってるのか、振り幅がわからないなあ。

「世紀末ウィーンのグラフィック」@目黒区美術館 5/26

 東急の目黒駅で下車、権之助坂を下りて目黒川沿いに少し歩いて、目黒区美術館へ。

目黒区美術館京都国立近代美術館所蔵 世紀末ウィーンのグラフィック

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 ポスターや絵はがきなどの印刷物が中心の展示。──これは月刊帳という、要するに当時のカレンダーのような出版物らしい。色鮮やかで優美。

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 少し時代が下ると、ちょっとおどろおどろしくなる。ちょうど第一次世界大戦が始まる頃の年代である。

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 エーリヒ・マッリーナの『天使』。──こんな繊細な木炭画が百年以上残っているというのはすごいことだなあ。

5/25(土)総持寺散歩

 川崎に用事があった土曜日の午後、時間があったので、総持寺を散歩してみた。

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 京浜間を通学・通勤し続けて約二十年、鶴見駅の西側のこの場所に大寺院があることは、知っていたけれど、意外に、一度も来たことがなかった。

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 敷地は広い。能登総持寺が明治時代に移転してきたという、珍しい経歴のある、曹洞宗大本山である。隣接地で、歯学部で有名な大学を運営しているのと、寺院自体、宗教施設として機能している、生きた寺院であるようだ。

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 芝生で子供が遊んでいたり、ただ日光浴をしているような人もいた。初夏の木陰が気持ちいい。

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 回廊の踏板がぴかぴかに光っている。ぞうきんがけは大変だろうなあ

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 いったいどうしたのだろう(笑)

クリムト展 @東京都美術館 5/24

 金曜日の夜間開館を狙って、上野の東京都美術館へ。駅構内のチケット売り場で当日券を買って行ったら、待ち時間なくスムーズに入れた。

東京都美術館クリムト展 ウィーンと日本 1900

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 序盤は若い修業時代の作品で、同じ女の子の肖像を描いてクリムトと比較されちゃうマッチュという画家がかわいそうだな、とか思いながら…。ティツィアーノの『イザベラ・デステ』の模写なんかは、目の感じが変なところも含めてよく描けているように思った。クリムトの独特のエロスみたいなのがいよいよ炸裂してくるのが、『ヌーダ・ヴェリタス』と『ユディトⅠ』が並ぶ部屋であるが、それに続いて、『ベートーヴェン・フリーズ』という壁画の原寸大複製が掲げられた部屋は、圧倒的だった。天井から指向性スピーカで『歓喜の歌』が流れてくるという小細工はこの際どうでもよく、…そうだよ、これが見たかったんだよ! 描かれているのはほとんどが化け物の方々(?)で、特にゴルゴーンの三姉妹の恐ろしい表情は強い印象に残る。ぼくが好きだったのは、天井あたりをすいーっと飛んでいる天女の方々(笑)。──色をぶちまけた中から立ち上がってくるような『オイゲニア・プリマフェージの肖像』と、ぼんやりした幽霊のような『白い服の女』が同じ部屋に展示されているのも、面白い対比だった。描く絵のスタイルの幅がとにかく広すぎて、つかみにくい人だ。

 クリムトが日本の浮世絵や春画なども収集してました、という展示もあって、べつに無理して日本とのつながりを語らなくてもいいだろうに、と思うが、コロマン・モーザーという同時代の画家の『冬の松林』という絵が、等伯の松林図屏風にそっくりな空気だったので驚いた。松林図屏風は当時はまだ知られていないと思われるので、関係ないだろうけれど。

「幕張イベントホール座長公演 “水樹奈々大いに唄う 伍”」5/5

 水樹奈々さんの「座長公演」、数年おきに開催されている、ライヴとコミック時代劇を融合させたイヴェントです。しかし幕張イベントホールでお芝居って、何事…という感じです。前回は代々木の第一体育館だったんだもんなあ。相変わらずやってることが無茶ですね。

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 海浜幕張まで出かけてきて、物販にも寄らず、まっすぐ客席へ。アリーナ席が当たっていましたが、平面に狭苦しいパイプ椅子がギッチリ並べられた空間で、これはむしろスタンドのほうが勝ち組だろう、と…。正直、きつい時間でした。特に、隣の人が協力的ではないヤバい人の場合、これは…。

 黄色っぽいドレスで出てきた奈々さん。前半のライヴパートは、Hungry Hungry/HOT BLOOD/はつ恋/Born Free(新曲)でした。『Hungry Hungry』で「なか卯ー!」コールをするのは、もしかして定着しちゃったんですか?(笑)──お芝居は、真田十勇士のアレンジで、奈々さんは猿飛佐助。“副座長”の杉田智和氏や、福圓美里さん、名塚佳織さんなどのおなじみのメンバーは、もはや舞台慣れもしていて堂々としていましたが、驚いたのは、日笠陽子さん。台詞回しも立ち振る舞いも、とても映えていて、この人も経験者なのかと思ったら、殺陣どころか舞台も初めてだというのです(朗読劇は舞台には含まれないようです…)。カーテンコールで奈々さんと熱い抱擁をしてましたね。

 実はラスボスだった井上喜久子お姉さん、バトルのときに、仕掛けの小道具がうまく動かなかったらしく、残念でしたね。電波仕掛けだったらしいのですが、相変わらずIT活用に弱いチーム水樹、というところだったでしょうか。──作・演出は今回も浅沼晋太郎さんだったそうですが、浅沼さんは今回は出演はされなかったのですよね。今回、かなりメインの配役が多いにもかかわらず役者陣が足りずに、商業劇団の人も何人もメイン配役を演じていて、あの役は浅沼さんの役だったのではないかな、いないけど…なんて思ったりもしていました。

 面白かったのですが、先述のとおり、座っているだけでかなり疲れました。このイヴェントはライブビューイングも行われていましたが、映画館で見たほうが絶対よかったな、と後悔しました。──会場の外には、奈々さんが書いた“令和”の書などが展示されていましたが、終演後は、それを撮影する行列ができているような状態だったので、さっさと帰りました。