night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

12/4(火)東京国立博物館

 平成館では、『京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ』と、『マルセル・デュシャンと日本美術』をダブルヘッダーで開催中。

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 大報恩寺とは、いわゆる“千本釈迦堂”のこと。鎌倉時代十大弟子像が、そろってお出ましになっている。快慶は、どちらかと言うと都ぶりで均整のとれた菩薩や如来、というイメージを、昨年の奈良の快慶展で持ったけれど、この十大弟子像はごつごつとリアルである。──後半は、肥後定慶の観音菩薩像、六体が並んでいた。光背が外されて後ろに置かれているのが、展示方法としても独特だ。

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 聖観音菩薩は写真撮影可だった。よいお顔である。

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 マルセル・デュシャンと言えば、便器を置いて芸術だと言い張った人。若いころは多少わかりやすい絵も描いていたようだが…

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 好きだけどね、これとか

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 花嫁と独身者がどうのこうの、というやつ。うーん、わからん。──日本美術とのクロスオーヴァーを狙った展示だったはずなのだが、例えば千利休の竹花入が“レディメイド”だと言われても、…そういう問題じゃなくない? という気がしてしまい、いまひとつだったかな。

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 本館もひとまわりした。

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 鍋島の染付。この整い方がいいなあ

 東洋館では、『中国近代絵画の巨匠 斉白石』という企画展示を開催していた。清末から人民中国初期にかけて生きた画家だそうだ。

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 いい具合に力が抜けていて、好きだなあ

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 大イチョウが壮絶な色彩を示していた。

ムンク展 @東京都美術館 12/4

 『叫び』が来日ということでとにかく大混雑必至のこの展示、平日に行けるタイミングをずっと狙っていたが、火曜日の午後に上野に現れることができて、行列なしで入れた。場内はやはり混んでいたけれど、もうこのくらいの混雑は仕方ないかな、と思う程度であった。『叫び』は、有名な油彩画ではなく、1910年に描かれたテンペラ画が来ている。そのほか、『絶望』『不安』も合わせた三つを、最前列で移動しながら見るレーンと、その後ろで見られるエリアに分けられていたが、最前列もほとんど行列しないで見ることができた。

 展示の序盤で印象深いのは、『病める子』のリトグラフ、『臨終の床』の壁に人の顔が浮かんでいるような版画などの、濃厚な死のイメージ。『死と春』は、青々とした針葉樹の枝を死者の枕元や手に持たせる、そういう習慣がノルウェーにあったのだろうか。

 同じように海岸にいる人を描きながらまったく画風の違う『夏の夜、渚のインゲル』、『メランコリー』が並ぶあたりから、どんどん核心的になっていって、『赤と白』や『魅惑』/『別離』で描かれている、女性へのある種の強迫観念みたいなものは、見ているだけで息苦しくなってくるほどだ。──ただ、意外にもこの人は長生きしていて、国民的画家になって、戦争中の難しい時代まで生きている。

 自宅から見下ろした夜景を描いた『星月夜』という絵が、すっきりとしていて好きだった。なんか不穏ぽい影も描かれてはいるにせよ、これは、素直に清冽な空気を描きたかったんじゃないかな、と思わされる絵だった。あと、実は白眉だったのは『太陽』ではないか思う。圧倒的な力を感じた。

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朝日新聞>ムンク展―共鳴する魂の叫び
東京都美術館>ムンク展

東山魁夷展 @国立新美術館 12/3

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 月曜日、会期の最終日に、駆け込みで見に行った。大した混雑だったが、思いのほか好みであった。特に、北欧の風景や、ヨーロッパの街角を描いた絵など、風景の切り取り方が、とてもよい。──有名な、御射鹿池の絵(『緑響く』)も来ていた。むせ返るような夏の緑の空気が思い浮かぶ。

 正直なところ、東山魁夷がどれほどのものだろうか、と思いながら来たのに、思わず気になってしまったので、図録でも買おうか、と思ったものの、さすがに会期の最終日で、ショップが長蛇の列になっており、勢いをそがれてしまった。もっと早く来なくちゃいけなかったな。

国立新美術館>生誕110年 東山魁夷展
日経新聞>生誕110年 東山魁夷展

IDS! EVENT 2018“STAND UP!”@ Zepp DiverCity Tokyo 12/2

 坂本真綾さんのファンクラブイヴェント、今年はスタンディングのライヴです。台場のZepp DiverCity Tokyoへ出かけました。もはや整理番号とか特に気にせず、開演10分前くらいに入場。適当な位置に立ちました。

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 坂本さん、スタンディングのライヴは13年ぶりとのこと。その前にはタナボタとかもありましたね…あの頃は若かったので。私も四十を超えるとだんだんできなくなるじゃないですか。…といったMCがあり(まだ四十じゃないでしょ!と思いますけど…。)→ええー!!という声が上がり、「いや、がんばるよ、がんばるけどね」といったやりとりも。

 新曲をやります、と言い置いて歌った、『FLASH』という曲、真綾さんの歌のメロディと渋谷系的なバックがアンバランス。アレンジは誰なんでしょうね。──バンドはボーダーを着ることでおなじみの北川さんがバンマスで、この人はギターをジャカジャカとカッティングしてるとものすごく生き生きして見えますね。

 ちょっと思ったのは、スタンディングってことで、盛り上がる曲が多くなりましたが、そうすると、どうも同じような曲ばかりになってしまう、という問題があったような…。とくにPrivate Sky、マジックナンバー、Get No Satisfaction! あたりで感じましたが、もしかしたらオーディエンス側の乗り方の問題なのかも。

 坂本さん、最後のほうのMCで、来年の、三十代最後の誕生日に言及して、「3月30日が土曜日で、31日が日曜日なんだそうです。──曜日を言っただけです。」と話し始めました。盛り上がるオーディエンス。「ファンクラブのみなさんと会えたらいいと思います、そのときには座っていただいて…。ちょっと言いすぎました、におわせるだけにしようとしてたのに」ということでした。そういうことなら、カレンダーを空けときましょうかね…。

・DOWNTOWN
・stand up girls!
・Private Sky
・風待ちジェット
FLASH(新曲)
・明日は知らない(the band apartカヴァー)
・月の話
・空白
・逆光
・ハロー、ハロー
・Be mine!
マジックナンバー
・Get No Satisfaction!
・CLEAR

-encore-
・ユッカ
・シンガーソングライター

NHK交響楽団定期公演(第1897回/Cプログラム)@ NHKホール 11/10

 アリス・紗良・オットさんを見に、久しぶりのN響定期へ出かけた。ラヴェルのピアノ協奏曲、生で聴いたのは学生時代以来ではなかろうか。二楽章のどんよりしたところ、「灰色ワルツ」というフレーズが思い浮かぶ。とてもいい。オーケストラとの受け渡しに、指揮者だけでなくオケの奏者の方を食い入るように見ているのが印象的だった(あんな美人にあんなに見つめられたらやりにくいよね、とか思ってしまうくらい)。アリスさんは薄茶色みたいな丈の長いドレスに、ときおり、素足なのが見える。あ、ほんとにはだしで弾くんだ、なんて感心したりした。そこそこいい値段の席を奮発したけれどそれほどお顔はよく見えず、でも美人ですよね。前日はアンコールがあったようだけれど、この日はなかった。──後半はロメオとジュリエット。篠崎さんコンサートマスターN響、旋律の歌いかたが嫌味にならず、とてもいいと思った。なんというか、基礎体力がある感じの演奏、というか。このへんは指揮者のカラーなのだろうか。

ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
プロコフィエフ/バレエ組曲「ロメオとジュリエット」
指揮:ジャナンドレア・ノセダ
ピアノ:アリス・紗良・オット

ナイトフォール(初回限定盤)(DVD付)
 物販で買って帰宅。

「ロシア絵画の至宝展」@東京富士美術館 10/24

 八王子の東京富士美術館に行った。

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 ぬめるような透明な波濤(アイヴァゾフスキー『第三の波』)は、絵の前に立つと圧倒される。光の美しい絵が多い。荒っぽい大地に沈む夕日、草原にかかる夕虹、かがり火に照らされる女性、森の中の陽だまり…。

東京富士美術館>国立ロシア美術館所蔵 ロシア絵画の至宝展 夢、希望、愛─アイヴァゾフスキーからレーピンまで

M-Smile Presents HALLOWEEN PARTY 2018 ~EMMA~ @山野ホール 10/20

 茅原実里さんのファンクラブイヴェント、なんと今回はお芝居。代々木にある山野美容専門学校のホールが会場でした。激しい雨が降り出す中、入場。今回から電子チケットが採用されていて、スマートフォンの画面に電子スタンプを押されるということになっています。手元に物が残らないという点では、なんとなく覚束無い時代になりました。

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 みのりんと「劇団5454」の方々、そしてスペシャルゲストこと、ギタリストの馬場さん(スナフキンみたいでしたね…。某ドラ○もんの曲を弾いたり、自由でしたね)。黄泉の国の閻魔さまに扮したみのりんが、まあスラップスティックなストーリーを繰り広げるというものでした。ここの閻魔さまは、やって来た魂たち一人一人に、やたら時間をかけてヒアリングをするので、順番待ちの魂が捌けずにスタッフの鬼をやきもきさせています…。

 FCイヴェントならでは的な、観客参加型の場面とか、FCスタッフの黒ちゃんとマネージャのしーちゃんが踊らされてたあたりは、可笑しかったですが。…ですが、結果的にかなりシリアスに落とし、そしてその落とした先のシリアスが、ぼくにはちょっと受け入れがたいものだったのが残念。──カラオケライヴ(奇跡/無限SPIRAL/Freedom Dreamer)も、握手会もあったけど、雨も降っていたのでさっさと南新宿駅に駆け込んで、小田急で帰宅。

矢部の廃線跡

 自転車で、米軍の相模総合補給廠と防衛省の官舎の間の道を走っていたところ…、

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 県営上矢部団地と道路の間に、線路があるのを見つけた。国鉄横浜線から米軍相模総合補給廠に続いていた引込線の跡である。昔の地図に、米軍基地内に線路が描かれていたことは覚えているが、今でも線路が残っているとは知らなかった。

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 第4種踏切?

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 米軍の敷地内に続いているが、基地内はすでにレールは剥がされているようだ。

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 横浜線の方向にたどってみると保育園やマンションの敷地に突き当たって、線路は途切れたが、マンション群の反対側に行くと、米軍の敷地との間の道路がこんなことになっていた。

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 位置的には昔の線路の形にぴったり合っているが、これはべつに昔のレールを埋めたものではないだろう。ここに線路が通っていた、という、ただのマークではないかと思う。

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「今昔マップ on the web」より作成:1/25000「原町田」昭和50年二改・昭和52.1.30発行、他)

 昔の地図を見ると、淵野辺の方向から分岐して横浜線に沿って矢部駅を過ぎた線路が、米軍基地内でスイッチバックしてから、基地内を半周するように敷かれていたようだ。赤い矢印をつけたのが、県営上矢部団地の横の廃線跡の場所。

10/18(木)鶯歌散歩、帰国

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 最後の日は、陶器の街として知られる鶯歌で買い物でもしようと思って、松山から9時56分発の台鉄の區間車(普通列車)に乗って行った。30分余りかかる。途中、樹林の車両基地に太魯閣号や普悠瑪号がいるのが見えた。──松山駅でも普悠瑪号が発車していく場面を見ていたが、数日後に宜蘭で脱線事故を起こすとは…。

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 鶯歌陶瓷老街、平日だからか人も少なく、のんびりした空気。ワゴンに大量にお茶碗が置いてあるような店から、一点ものの作家の作品を売るお店まで、いろいろある。四千元の曜変天目などにだいぶ心が揺らいだけれど、結局、買ったのはこれ。

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 油滴天目ですね。600元(約2,200円)。百年後くらいに変な由緒がついて鑑定団に出ます(笑)

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 機関車に引かれた莒光号がゆっくり走っていく。

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 線路を渡って南側に歩き、新北市立鶯歌陶瓷博物館へ。

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 台北縣が直轄市新北市に昇格したのは2010年のこと。

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 鶯歌の陶磁産業の紹介。

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 装飾タイル、きれい


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 二階では現代作家の展示があった。これは日本の陶芸作家、杉浦康益氏の作品

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 おや、奈良美智さん

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 林康夫氏という作家の紹介。特攻隊に取られた経験から、大空の闇に舞い上がる不安のイメージを表現している…といった紹介映像が流れていた。日本の現代の陶芸に台湾で出会ってじっくり見るというのも、考えてみれば不思議。

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 博物館の裏は、まぶしく静かな公園。ランタナが咲いていた。

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 躍進する新北市を表現(?)

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 鶯歌車站

 13時過ぎに鶯歌の駅前からタクシーに乗ったら、高速道路を通って、ものの30分たらずで、桃園国際機場の第一航廈に着いてしまった。そのくらいの距離だと知っていたからタクシーを奮発したものの(695元だった)、ちょっと早すぎたかな。──帰国便は、16時15分のキャセイ・パシフィック航空522便である。早々にチェックインして、空港のカフェテラスでサンドウィッチなどを食べ、お土産にお菓子などを買ったが、桃園空港の免税店はあんまり商売っ気がなく、上海の浦東空港でうるさいほどお菓子やお酒を勧められたのとは違う感じである。お酒も、紹興酒などのいかにも中華なものは、高価で、半ば埃をかぶっているようなものばかりで、ウィスキーなどの洋酒が中心で、手軽な値段なのは台湾啤酒くらいだった。

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 さて、帰国だ

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 成田空港に着陸したのは夜の20時20分頃だった。キャセイ、行きも帰りも、着陸のときにタイヤが接地する瞬間が、滑るようななめらかさで、感心してしまった。21時45分の町田バスセンター行きの最終のバスに乗って帰宅。■

10/17(水)夜の鹿港老街

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 高鐵嘉義車站のホームからの眺め。平原だなあ

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 高鐵嘉義車站から北行の列車に乗り込んだのは15時32分。意外に遅くなってしまった。

 26分で台中に着いた。──鹿港に行ってみようと思ったのだけど、高鐵台中車站から鹿港に直行するバスの乗り場を見つけられず、見つけたときにはちょうどバスが出てしまった。仕方なく、151番というバスに乗って台中の市内に行き、“朝馬(臺灣大道)”という停留所で降りて道路の反対側に廻り、鹿港行きのバスを待ち受ける。

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 この、鹿港行きの路線バスというのが、9018番というもので、マイクロバスなのであった。やって来たバスにはなんと満員で乗れず、どうやら次のバスは50分後なので、困ったな、と思ったが、だが地元の人たちがへこたれる様子もなく並んでいるということは、バスが来るのではないか、と期待しながら待っていると、はたして、時刻表に載っていないバスがやってきた。持っていた悠遊卡(交通ICカード)はすでに残額がほとんどなかったので、運転士のおっちゃんに、多少銭、と聞いたら「ジウパー。」と一言。98元ね、ということで、硬貨を運賃箱に入れる。──9018番のバスは、中鹿客運というバス会社が運航する、台中市内から鹿港へ直行するバスで、地図的には高鐵台中車站のすぐ近くを通るのだが、高速道路を素通りしてしまう。

 終点は、鹿港總站という中鹿客運の営業所。すでに夜になっていた。──鹿港は日本統治時代より前に繁栄した街で、古い街並みが残っているという。夜の鹿港の街を探検…。

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 天后宮に潜入。

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 ちょっとくらくらときてしまう。

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 摸乳巷という路地。「すれ違うとお互いの胸が当たる」というような意味としてガイドブックには紹介されているが、そうじゃないだろ書いてある通りの意味だろ、と個人的には思うが、どうか

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 路地に突然現れる、清代に作られたという門。

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 鹿港、台中からもうちょっと楽に来られるかと思っていたのだが、思ったより時間がかかった。まあ、何も調べずに来るからいけないのだけど…。観光地ではあるものの、夜になるとすっかり地元の街で、老街も基本的に民家が並んでおり、開け放した居間で家族がテレビを囲んでいるのが見えたりする空間であった。

 卸売市場の近くに出ていた屋台で、餡子入りの今川焼的なものを買い食いしながら、中鹿客運の営業所に戻った。カウンターの兄ちゃんは、知り合いらしい女子高生と軟派な感じでじゃれあっていたが、ぼくが歩み寄って、一張到臺中、と言うと、96元、とキビキビと乗車券を発券し、にこやかに「七点二十。」と告げた。

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 19時20分、言われた通りの時刻に、帰りの台中行きのバスは発車した。

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 彰化インターから高速道路を通って、夜の台中市内に戻る。バスは市内に入ると、臺灣大道という大通りを走り、有名な台中オペラハウスのすぐ近くを通ったはずだが、すでに20時を過ぎ、さすがにこの時間から街歩きをするのはしんどい。──台中車站に着いたのは20時半頃だった。ここから高鐵台中車站に移動するのも逆に面倒なので、台鉄(在来線)で台北に戻ることにする。

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 真新しい台中車站の窓口で、21時00分の自強号(特急)の乗車券を買う。今回は松山まで買ったので389元だったが、台中から台北まで375元と掲示されていて、2005年に乗ったときと値段が変わっていないのに驚いた。

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 台中車站は新しい駅舎になったものの、大正時代のレンガ造りの旧駅舎が保存されている。前に来たときはこの駅舎だったな、などと思いながら眺めていると、なにやらプロジェクションマッピングをやっていた。

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 2005年11月に撮影した台中駅。

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 やって来た自強号は、前にも乗ったことのある、昔から走っている車両だった。

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 まだいたのね

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 前後に機関車がついている、プッシュプル式の列車で、客車は非常に静かだし、座席も広い。──順調に走っていたが、22時50分頃の桃園駅で動かなくなり、何かアナウンスが入ったが当然聞き取れない。しばらくしたら動いたものの、鶯歌でまた臨時停車した。対向の線路も電車が停まっているらしく、普通列車を待つ乗客の姿が見えた。後から知ったものの、このとき、人身事故があったということだった。

 松山に着いたのは定刻よりも25分遅れの23時50分だった。松山新店線の最終電車は24時00分発のはずなので、多少急ぎ足で捷運の乗り場に向かった。──やはり台北車站の近くのホテルに泊まったほうが楽だったな、と思う。