night and sundial

じゃわじゃわ日記 -the 5th defection-

9/29(土)富山散歩(富山城址、富山県美術館)

 9月28日(金曜)の夜に富山に着いて、駅からほど近いビジネスホテルに投宿した。繁華街で苦労して飲み屋を見つけ…

f:id:jawa_jawa:20181014231526j:plain
 口の中でとろける、白エビの握り。これはおいしかった。

*

 そして翌、9月29日(土曜)。朝からどんよりとした空模様で、立山連峰も見えない。天気予報は完全に“雨”である。──この旅行は、この日は最終的に金沢に移動して、日曜日は金沢市内を見物してから夜に新幹線で帰京する予定で、金沢のホテルも一泊おさえてあった。しかし、台風24号というのが近づいていて、西日本は大きな影響を受けることが予報されていた。今年は台風21号が関西をめちゃめちゃにして通り過ぎて行ったばかりで、今回も、すでに関西方面は鉄道の運休などが考えられるような状況になっている。

 北陸新幹線がどうなるのか、この時点ではなんとも言えなかったので、金曜の夜からちょっと悩んでいた。だが、日曜日に東京に帰る手段がなくなる可能性を恐れて、土曜の朝に至って、旅程を切り上げて土曜日中に東京に帰ることに決めた。金沢のホテルもキャンセル。──結果的にこれは正解で、日曜日の夜には首都圏も鉄道が計画運休するという事態になり、早めに帰っておいてよかった、と思ったのだった。

*

 さて、ホテルを出て、まずは歩いて富山城址へ。

f:id:jawa_jawa:20181014231507j:plain
 安田善次郎生誕の地だそうだ。富山の人だったのね。

f:id:jawa_jawa:20181014231508j:plain
 黄色いカラー舗装って珍しいような気がする。

f:id:jawa_jawa:20181014231509j:plain
 富山城址。きれいに整備されている。

 富山城址はコンクリートの復元天守で、内部は“富山市郷土博物館”になっている。戦国時代の越中国は、隣国から加賀の一向一揆が攻め入って過半を支配したり、国人たちが越後の長尾氏を引き入れたり、という複雑な状態だったようだ。江戸時代は金沢の前田氏の支藩になり、戊辰戦争では新政府軍になって奥羽越列藩同盟の諸藩をボコボコにしに行ったということである。

f:id:jawa_jawa:20181014231510j:plain
 城址公園の庭園を歩いて行くと、“富山市佐藤記念美術館”がある。

f:id:jawa_jawa:20181014231511j:plain
 ここは日本画や工芸品が中心の展示。岸駒(がんく)という越中の絵師の“雪中梅図”など、端正で良いのだが、若冲の雪に比べると光が違うなあ、などと思う。よかったのは、岸竹堂の“山桜図”。ぶかっこうな枝ぶりの木を描いているのだが、どことなく微笑ましいというか…。

 ここは工芸品がすばらしかったのだ。越中の工芸…、“城端蒔絵”や“高岡漆器”と言われても、正直なところあまりぴんと来なかったのだが、金銀だけでなく赤や青、白の漆で紋様を描いた鮮やかな“蒔絵”には驚いたし、螺鈿もただの螺鈿ではなく、貝の光る部分の、その裏側に赤や青の顔料を塗ってから貼り付けるということをするそうで、妖しい色合いに光っている。漆器も、錆絵といって、砥粉を混ぜた漆で立体的に盛り上げて絵柄を描く技法があるそうで、生き生きとしていて美しい。

*

 雨が降りはじめていたが、まだ大丈夫、と、シェアサイクルを借りて、一気に富山駅の北側、富山県美術館へ行った。

 富山市の中心部には、“シクロシティ”という水色のシェアサイクルのポートがある。調べてみると、2日間用の登録料が500円で、それに加えてレンタル料がかかるが、30分以内なら無料ということだ。スマートフォンで登録して、登録番号をポートの機械に入力すると(システムはどうも外国製のパッケージを日本語化したものらしいな、と思った)、ラックから自転車を引き出すことができる。

シクロシティ富山

 ただ、30分を超えると、60分まで200円、その後30分ごとに500円がかかるというもので、数時間借りようなどと思うと、レンタサイクルとしては比較的高額になってしまう。ぼくも今回は、結局合計で500円+700円が請求された。──富山市の中心部内で、行きたい場所の近くにあるポートの場所を確実に把握しておき、ポート間をホッピングするように移動して、30分以内にポートに返却するようにするのが、最も賢い使い方だろう。

 富山城址の東側からシェアサイクルに乗って、富山駅の正面でまず返してしまい、地下道を歩いて北側に出て、歩いて環水公園を目指した。途中でまたポートがあったのでシェアサイクルに乗ったが、目指す富山県美術館の近くにポートが見つからず、仕方なくシェアサイクルを富山県美術館の駐輪場に止めておいたのだが、実は近くにポートがあったことに後から気づいたのだった。

*

f:id:jawa_jawa:20181014231513j:plain
 富山県美術館では、“世界ポスタートリエンナーレ”を開催中だった。前身の富山県立近代美術館の時代から長年続いているそうだ。──しかし、ポスターにアート性を見ることが、どうもぼくには難しかったかな…。ポスターはアートではなくメディアじゃないか、何かの情報を伝えたいものであるはず、とどうしても思っちゃうのだよね。

富山県美術館>第12回世界ポスタートリエンナーレ トヤマ2018

 常設展部分は撮影可。藤田嗣治や、ピカソ
f:id:jawa_jawa:20181014231527j:plain

f:id:jawa_jawa:20181014231528j:plain


f:id:jawa_jawa:20181014231514j:plain
 ジャコモ・マンズーってこういう背徳的なのも作ってたのね…。(『着衣の少女』)

f:id:jawa_jawa:20181014231529j:plain
 瀧口修造のコラージュ。こういうの好き。

f:id:jawa_jawa:20181014231530j:plain
 三沢厚彦氏のクマ。インスタ映えスポットのようで、女の子がずーっとポーズをとっていた。野外にもあるんだけど、天気が悪くてねえ。

f:id:jawa_jawa:20181014231515j:plain
 環水公園がよく見える。

 富山県美術館を出て、環水公園にある、有名なスターバックスでひとやすみした。

f:id:jawa_jawa:20181014231516j:plain
 天気が良ければねえ…。

9/28(金)立山黒部アルペンルート(3)

 大観峰からは、先ほどとは別のトロリーバスに乗る。「立山トンネルトロリーバス」というもので、立山黒部貫光株式会社が運行している。15時45分発、これも2台運行だった。10分で室堂に着いた。

f:id:jawa_jawa:20181006231353j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231354j:plain

 室堂に着いたのが15時55分。ここは標高2,450mの高原だ。仕事明けにほいほいと、すごいところに来てしまった。

f:id:jawa_jawa:20181006231355j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231411j:plain
 立山連峰に見下ろされた台地で、岩がごろごろ転がっている。礫がざらざらしているような斜面も見える。実際、これ、いま大地震があって山が崩れたらイチコロな位置だな、などと思う。

 1時間程度、「みくりが池」をぐるっと回るコースを歩いてみた。

f:id:jawa_jawa:20181006231357j:plain
 雲が湧いているのかと思っていたが、水蒸気を盛んに吹き出している場所があった。硫黄のにおいもする。地獄谷というところで、立入禁止になっている。

f:id:jawa_jawa:20181006231412j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231400j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231356j:plain
 山は厳しいけれど、きれいなところだ。

f:id:jawa_jawa:20181006231358j:plain
 「みどりが池」に映る山並み。

f:id:jawa_jawa:20181006231359j:plain
 草紅葉。

f:id:jawa_jawa:20181006231401j:plain
 陽が翳ってくると、肌寒くなってくる。ここから下山するバスの時刻も近づいて、観光客の姿も少なくなってきた。室堂のターミナルに戻る。

f:id:jawa_jawa:20181006231403j:plain
 よくぞ言ってくれました

f:id:jawa_jawa:20181006231413j:plain
 室堂ターミナルから下界を見下ろすと、一面の雲海であった。なんと、ここは雲の上だったのか…。

f:id:jawa_jawa:20181006231402j:plain
 ちょっと一杯

*

 ここから下山する「立山高原バス」、今日の最終便が、時刻表では17時05分の発車だ。乗り場に行列する。バスは「美女平」行きだが、複数台のバスを出すようで、途中の弥陀ヶ原で下車する人はこちらに並んで、などの整理をしている。バスに乗り込むと、定刻よりも早く、17時00分頃に出発した。50分ほどかけて一気に山を下りる。

f:id:jawa_jawa:20181006231405j:plain
 あれよと言う間に、雲に覆われて…、

f:id:jawa_jawa:20181006231406j:plain
 途中、一面真っ白な霧の中を走るので驚いてしまった。なるほど雲の上にいたわけだ。荒涼としていて、北海道のようだ。

 美女平に着いたのが17時50分頃だった。ここから立山駅に下りる「立山ケーブルカー」は、時刻表では18時10分だが、18時00分の臨時便が出た。外はすでにすっかり暗い。

f:id:jawa_jawa:20181006231407j:plain
 ケーブルカーで立山駅に到着。

 富山地鉄立山駅では、駅員のおじさんがカタカナ英語ですらすらと肉声のアナウンスをするので、驚いてしまった。外国人旅行者が増えて、こういうことをやっているのだね。通じるのだろうか、とも思うが、やらないよりはましだと現場の経験上わかっているのだろう、などと想像する。──立山駅から18時26分の電車で、電鉄富山駅に19時31分に着いた。電車の中ではさすがに眠ってしまった。

f:id:jawa_jawa:20181006231408j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231409j:plain
 電鉄富山駅。東急電車がいますね

f:id:jawa_jawa:20181006231410j:plain
 富山駅前。東京駅から約9時間50分、すべての乗り物が時刻表どおりに走って、よく着いたものだ。今日の行程はこれでおしまい。

9/28(金)立山黒部アルペンルート(2)

 扇沢から16分で黒部ダム駅に到着。階段を上り切ると、展望台からダムが一望できた。──ちょっと寒いので、防寒のために持ってきた登山用のヤッケを羽織る。

f:id:jawa_jawa:20181006231339j:plain
 放水の水しぶきが風で巻き上がってくる。すでに陽が傾いていて、虹は見られなかった。

f:id:jawa_jawa:20181006231342j:plain
 昭和38年に竣工した黒部ダム。殉職者の慰霊像がある。横のプレートには百名以上の氏名がびっしりと彫りこまれていて、さすがに厳粛な気持ちになる。

f:id:jawa_jawa:20181006231341j:plain
 この、砂防関係の施設(だと思う)も、まるでローマ水道みたいではないか

f:id:jawa_jawa:20181006231343j:plain
 ダムの堰堤を歩いて反対側に行くと、歩道はトンネルに入り…

f:id:jawa_jawa:20181006231345j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231346j:plain
 黒部湖駅。ここから「黒部ケーブルカー」に乗る。

f:id:jawa_jawa:20181006231347j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231348j:plain
 15時20分発。トンネルの中を、ものすごい斜度で登るケーブルカーである。考えてみればこれも大した乗り物だ。──5分で黒部平駅に着く。ロープウェイ乗り場に直行して行列する。

 黒部平駅15時30分発の「立山ロープウェイ」に乗った。これもすごい。1.7kmということだが、間に支柱が一本もない。

f:id:jawa_jawa:20181006231349j:plain
 山はすでに秋の色合い。反対側からゴンドラがやって来た。

f:id:jawa_jawa:20181006231351j:plain
 7分で大観峰駅に到着。いや、ほんと、ものすごい断崖に駅があるな…。

f:id:jawa_jawa:20181006231352j:plain
 大観峰駅からの眺望。黒部のダム湖を見下ろす。ケーブルカーとロープウェイで、こんなに登ってきたということか。

9/28(金)立山黒部アルペンルート(1)

 金曜日の朝9時44分、東京駅から、北陸新幹線『あさま607号』長野行き、新型のE7系に乗った。長野までの各駅停車便だからか、自由席車は気持ちよく空いていた。売店のおにぎりで簡単に朝食を済ませる。

f:id:jawa_jawa:20181006231328j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231329j:plain

 北陸新幹線は3年前の春に金沢まで開業したが、その前に長野まで開通して“長野新幹線”と呼ばれていたのがオリンピックの前の1997年10月からのこと、そこからすでに20年以上経っているのだけれど、ぼくは一度も乗ったことがなかった。──妙義山の突兀とした山容や、安中榛名という深閑とした駅に停まる様子などを見ながら、11時33分に長野駅に着いた。後ろからはすぐに『かがやき』号が追い付いてきた。

f:id:jawa_jawa:20181006231330j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231331j:plain

f:id:jawa_jawa:20181006231332j:plain
 長野駅善光寺口。木を貼った列柱が独特だ。

 2時間かからずに長野に着いた、と驚き、小奇麗な駅ビルに感嘆し、しかしこれではどこの町だかさっぱりわからないな…などと思いつつ。──しかし今回、長野は中継地点であって、ゆっくりしていられない。善光寺にお詣りするくらいの時間はほしかった、と思いながら、駅ビルで立ち食いの蕎麦でこれまた簡単に昼食を済ませて、駅前をちょっと眺めただけで、12時30分発のアルピコ交通の特急バスに乗り込んだ。

f:id:jawa_jawa:20181006231333j:plain
 扇沢行きの特急バスは、長野駅東口の25番乗り場から出る。扇沢まで片道2,600円。バスを待っているとじりじりと陽に焼かれる日だった。日陰に避難して待つ。

*

 今回は、立山黒部アルペンルートで、北アルプスの向こう側、富山を目指す。立山黒部アルペンルートは、信州側の大町・扇沢から、富山側の立山町まで、トロリーバスやケーブルカーなどのいくつもの乗り物を乗り継いで、北アルプスを横断していく、昔からある観光ルートだ。ぼくは、子供の頃に黒部ダムに連れて行ってもらったことがあったな、というくらいで、通して乗ったことは一度もない。ぜひ行ってみたい、とかねてから思っていたが、そもそも春から秋にかけてしか開通していないルートであること、また、2012年の11月には冬季閉鎖前ぎりぎりの時期に行こうと計画したものの、すでに平地でも雪になっていて、恐れをなしてやめた、ということもあった。

 加えて、海外からの観光客が押し寄せるようになっている、という話もあるため、少しでも人の少ない平日に行きたい、という思いもあって、平日に行動できる今回の日程に、狙いを定めたのだった。──朝9時台などという時刻に東京駅に現れたのは、仕事明けからのエクストリーム旅行だからである。

 だが、この特急バスで扇沢に着くのが14時15分。扇沢では14時30分のトロリーバスに接続するが、今の時期に富山県側の立山駅まで下山できる最終の乗継ぎは、扇沢15時00分発であり、つまり、この時間ですでに“終電1本前”なのである。途中、もし室堂あたりで足止めを食ったら大変なことになるし、この特急バスが遅延したらそれだけで今日富山まで行けない危険が出てくるということだ。

 …などと、長野市内を抜けるのに意外に時間がかかったこともあって、気を揉んでいたが、白馬長野有料道路(いわゆる“オリンピック道路”)をすいすいと通ってバスは進んだ。大町から扇沢に上がる道路は緑のトンネルのようで爽やか。途中、野生の猿が路傍で悠々と食事をしていたりする。それを見物するベンツが道の真ん中で停車しており、こちらのバスが追い抜こうとしたらなんとベンツが急発進して、危なく衝突するところであった。金持ちはこれだから…。バスの運転士もさすがにイラッとした様子だった。

 扇沢には定刻通り着いた。だが、長野から白馬まで、平日で道も空いていて、制限速度50km/hで比較的すいすいと走って、それでも信濃大町駅に数分遅れて着いていたので、ダイヤにはおそらくあまり余裕がないのでは、行楽シーズンは大幅に遅れるのだろうな…、などと思う。

f:id:jawa_jawa:20181006231334j:plain

*

f:id:jawa_jawa:20181006231337j:plain
 トロリーバス扇沢駅の窓口で、富山(富山地方鉄道電鉄富山駅)まで通しの切符を買う。9,490円。*1

 ここ扇沢から黒部ダムまでは、6.1kmの「関電トンネルトロリーバス」である。トロリーバス自体は中国にいくらでもあるが、日本では今では珍しい乗り物であることと、トロリーバスは法的には「無軌条電車」という鉄道であることから関西電力株式会社が第一種鉄道事業者として運行・営業しているという点でも珍しい。だが、このトロリーバスは今年のシーズンで廃止になり、来年からは電気バスが走ることになっている(関西電力は鉄道事業を廃止することになる)そうだ。たしかに、蓄電池の性能が昔では考えられないくらい上がっている今、架線設備を維持しなければならないトロリーバスは非効率なのかもしれない。

f:id:jawa_jawa:20181006231335j:plain
関電トンネルトロリーバス扇沢駅

f:id:jawa_jawa:20181006231336j:plain
トロリーバスの車両は、VVVFインバータ制御だそうだ。

 14時30分発のトロリーバスは、2台運行だった。乗客は多くはないので1台に詰め込まれるのかと思ったが、ゆったり座れる程度で、ありがたい。ウイーン、というモーターの音が響いて発車し、トンネルに入って行く。

 トンネルの中は、関電トンネルの建設エピソードとして有名な“破砕帯”が、青い照明で示されている。このトンネルそのもの、そして黒部ダム自体が、記念碑と言っても過言ではないものだろう。

f:id:jawa_jawa:20181006231338j:plain
 途中、ガタンガタンと衝撃があって(ビューゲルが架線を切り替わる音?)、待避所に入る。しばらく待つと、対向から4台やってきてすれ違った。一番後ろの車の運転士とこちらの運転士が、窓越しに、タブレット交換していた。

*1:事前に調べていたとき、前売りで“平日割WEBきっぷ”というものがあって、少し安くなるので、買おうかと思ったら、これがなんと扇沢駅で14時までに引き換えなければならないというものである。長野からの特急バスが14時15分に着くというのに不親切なことだ、と思ったのだった。立山黒部貫光関西電力アルピコグループの連携が取れてないんじゃないの、とか…(?)

KING SUPER LIVE 2018 @東京ドーム 9/24

 2015年に開催されたKING SUPER LIVE(キンスパ)は、エポックメイキングなイヴェントだったので、二度はないだろうなあ…とは思っていたのですが、なんと2回目の開催がアナウンスされました(正確には2017年に、“KING SUPER LIVE 2017 TRINITY”(キントリ)というスリーマンライヴが開かれていたのですが)。物見高く行ってみようか、と思っていたところ、同僚に誘われたので、行きます行きます、と、ほいほいと予定を入れていました。

KING SUPER LIVE 2018

 なんと今回の会場は東京ドームです。キングアミューズメントクリエイティブ本部さん、勝負に出ましたね。開催日を一日に絞ったとは言え、三連休の三日目、翌日は平日ですから、東京ドームを埋めるまでには至らなかったようで、当日券も出ていました。でもそのくらいでいいんじゃないかと思いますけどね、お祭りなんだから。

f:id:jawa_jawa:20181006044306j:plain
 後楽園ホールあたりで同行の友人と合流して、ドームの外側のビールスタンドでさっそく一杯飲んでテンションを上げてから、ドームの外側の通路を延々歩いて、反対側の文京区役所側のゲートからやっと場内に入って、フィールドに下りました。…そう、今回はアリーナの席が当たっていて、外野側に設営されたステージに向かっては少し下手側、中央の通路に近いあたりでした。野球場に設営されたステージセットの巨大さに驚きつつ席に着き、振り返るとホームベース側には布の幕で四角い囲いが。…あれはあそこから何かが飛んでくると思います!(笑) だってあそこ花道とつながってないもん! …とか、トップバッターは誰だろう? ポプテピですみぺじゃないか? …とか、開演前に話していたのでした(笑)。

 答えは、…イントロのSEがかかった瞬間、「ファフナーか!」と(笑)。巨大フロートに乗ってangelaが現れ、『Shangri-La』でした。ですがアリーナのパイプ椅子席は狭すぎて、全然タオルが振れなかったんですよね…。──そして、返す刀でステージの上方に白いニーハイソックスのすみぺが現れて『POP TEAM EPIC』。すみぺ、あの曲でもそれほどボコーダを通さない生声に近いPAでした。表情的にはかなり緊張しているように見えましたが、どうだったのでしょう。そして『ヤバい○○』には爆笑しました…例の、キングレコード一社提供のめちゃめちゃな番組の映像が、コラージュされて巨大スクリーンに流れまくる(内田真礼さん出演回ではまれいたその顔は雑に隠されている)というもので、…なんでここでコレなんだ! と、ぼくはその曲のあいだずっと笑い転げていました。

 ミス・モノクロームは映像ライヴですが、たしかにステージ正面に投影されている映像は立体的っぽくなっているのですが、野球場の規模でそれを見るのもなかなか厳しく、左右にスクリーンはそれを映しているのでふつうの映像になってしまい、微妙だったかな。続けて堀江由衣さんが気球に乗って登場しました。堀江由衣さんは『Love Destiny』で全力コールできたのがぼくにとっては新鮮でした。

 伝説のシスプリユニットのPritsが一日かぎりの復活、というのが、刺さる人には刺さったのでしょうけれど…、赤いチェックの衣装で歌い踊っていましたが、ぼくは時代的にあまりぴんとこなかったのと、パフォーマンス的にも、水樹奈々さん以外、そういう仕事をしてる人じゃない人を、引っ張り出さなくてもね、と思ってしまいました。

 高橋洋子さんは、あれ、クロスアンジュの曲だったんだっけ、という程度でしたが、『魂のルフラン』でバックダンサーボーイズたちがまさかのロンギヌスの槍を捧げ持ってきて、高橋洋子さんがそれを掲げ持って歌っていた場面ではかなり盛り上がりました。続けて『Give a reason』のイントロが入ったときの歓声もすごかったですね…。林原さん、相変わらずの白Tシャツとブルージーンズで、また部屋着みたいな恰好でおいでですね(^^;、と思ったら、ただのTシャツではなく、背中がものすごくざっくり開いているというものでした。めぐさんすげえよ。

 いのりんで「Ready Steady Go!」を叫んだり、宮野真守でオーオー声を出させられて軽く喉が枯れたり(そこを目の前のカメラにばっちり抜かれていたはず)して、楽しかったのですが、人と行くライヴは、どうしても完全に味わいきれないものがあるかな。騒いでやらなくちゃ、みたいなところがどうしても出ちゃいます。──男性陣では、内田雄馬氏(a.k.a.ゆうまたそ)は、宮野真守の後継者だな、という感じがしましたが、…蒼井翔太氏は、ちょっと違うというか、新ジャンルの人なんだな、と。まず紫色のナポレオンジャケット+スカートみたいな恰好で、髪を後ろで結んで出てきて、スクリーンに抜かれる超アップの顔が整いすぎているので、中性的というか、逆宝塚みたいな作画(?)で、女性ファンの声援がものすごいのです。話しているときと、『Eclipse』で急にガンガンいきはじめる感じの、ギャップがすさまじかったですね。

 小倉唯ちゃんはピンクのドレスでフロートに乗って登場して、まず『Raise』、新曲でサビの腕の振りがかわいい『永遠少年』、そして“ハニカム”、という、にわかにも優しいセットリストでした。──トリはやはり、水樹奈々さん。ステージ上方からさらに上にそびえる位置に現れて、1曲目は『Pray』で、かなり盛り上がるところ…だったはずなのですが、実はこの日のライヴ中、ぼくの座席の近くにいたカメラさんの持っていたセットリストの紙が見えてしまい、奈々さんが何を歌うのか、知ってしまっていたのですよね。

 アンコールのコラボパートでは、小倉唯ちゃんとすみぺといのりんがそれぞれフロートに乗って登場して、アリーナのセンターで三人それぞれのミニステージに上がりました。ぎゃー、ぼくの目の前にすみぺが!!(笑) そしてそのミニステージがポップアップで持ち上がっていくのです…ぼくの上にすみぺが!(笑) 下からは、ボンベがつながった大砲のような送風機にスタッフが取り付いて、銀紙の星が巻き上げられていました。そんな演出装置も初めて見たので興味津々でした。

 そして、男性陣+angelaによる『革命デュアリズム』、…これはものすごい迫力でした。奈々さんとT.M.Rのコラボ曲ですが、それの女声(奈々さん)パートを、蒼井翔太氏がほぼ単騎で、しかも原キーで、支えているという、ある種、恐ろしい歌唱力が展開されていました。ある意味、この日のハイライトはこれだったと言ってもいいのではないかと。──水樹奈々さんと堀江由衣さんは、センターステージまで走ろう!と促す奈々さんに、えー、みたいな反応、そしてやはり走らされて、息を切らす仕草をするほっちゃんの小芝居が微笑ましかったです。奈々さんの体力についていくのは常人には難しいのではないでしょうか…(?)。

*

 ということで、それなりに楽しんだのですが、前回の2015年のキンスパに比べると、出演者も減っていましたし、あの人が歌うの?!という意外性も(少なくともぼくにとっては)小さかったですし、勢いの弱さの否めないイヴェントでした。──最後は出演者が勢ぞろいして挨拶、そして全員で『残酷な天使のテーゼ』でした。…一部、いつまでスターチャイルドとか第三クリエイティブとか言ってるの、それはキングレコードの内部事情でしょ、と思わなくもないのですが。林原めぐみさんも、ステージ上で体を揺らしてはいるけど、結局あまり歌ってはいませんでした(めぐさんはそれでいい、とも思うのですけれど。このへんに抱く感情はぼくもちょっと一筋縄ではないな…)。

 終演した時点で21時を過ぎており、水道橋の飲み屋で打ち上げ終わったら23時半でした。──この時間から帰宅して、翌朝ふつうに仕事っていうのは、ちょっときつかったな。楽しかったからいいのですけれど!

9/23(日)石老山

 石老山とは相模湖の南側の山並みのひとつで、手頃な山歩きができそうだったので、友人と行ってみることにしていた。だがこのところ雨が多く、つい前日まで雨が降っていたのが心配だ。

 9月23日、中央本線相模湖駅で10時に集合して、駅前のロータリーから路線バスに乗る。この路線バスは、旧津久井町の「三ヶ木」行きの神奈川中央交通バス(津久井営業所管内)で、家族連れや若い人でいっぱいになったが、そのほぼ全員がさがみ湖プレジャーフォレストで下りていき、残りのわずかな登山者も次の石老山登山口で下りて、バスは空っぽになって三ヶ木に向かっていった。

 登山道入口の標柱からも、しばらくは車が入れる道が続く。奥にある病院と、顕鏡寺というお寺までは車が入るようなのだが、病院の前から登山道は山に入った。だが、登山道にはジャージャーと水が流れていて、軽く沢登りのようですらある。近日の雨のせいだろうが、これはよくない。この調子が続くようならやめたほうがいいな、と思いながら登る。

f:id:jawa_jawa:20181005222720j:plain

f:id:jawa_jawa:20181005222723j:plain
 顕鏡寺で休憩。登山道の近くには岩窟などがあっておどろおどろしいが、寺の横からは、橋本の方向に眺望が開けていた。──柳原白蓮の墓があるというのだが、どこだかわからなかった。どうやら、寺の背後にある墓地のなかにある一族の墓のひとつらしい。墓地によそ者が入り込むのもよくないので、探すのはやめておいた。

f:id:jawa_jawa:20181005222724j:plain
 全部で何丁なのだろう

f:id:jawa_jawa:20181005222722j:plain
 巨岩が次々に現れる。

f:id:jawa_jawa:20181005222721j:plain
 尾根に出るまでにだいぶ息が上がった。

f:id:jawa_jawa:20181005222725j:plain
 相模湖が眼下に広がる。

f:id:jawa_jawa:20181005222726j:plain
 山頂に着いたのは昼過ぎだった。しかし、案に相違して、眺望はほとんどなかった。──食事をとって、また歩き出した。

f:id:jawa_jawa:20181005222728j:plain
 明神平。狭い休憩スペースは老人の集団で埋まった。

 かなりきびしい下りルートで、しかも下りて行くにつれて薄暗くじめじめしたつまらない山になってしまうので、テンションも下がる。14時過ぎに下山した。帰りはプレジャーフォレスト前のバス停から15時に出る橋本駅行きの路線バスで、1時間あまり。休日に二本だけ出ている直通便で、橋本駅~三ヶ木バスターミナルの路線を延長したもののようだ。城山ダムあたりからはかなり道路が混雑していたが、10分程度の遅延で終点に着いた。橋本でお酒を飲んで解散。

「ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅」@町田市立国際版画美術館 9/17

f:id:jawa_jawa:20181005210215j:plain
 ヨルク・シュマイサーとは、2012年に亡くなった、ドイツ生まれの版画のアーティストだそうだ。世界のあちこちで受けた印象から作品をつくり、中には、留学していた京都など、日本を描いた作品もある。

f:id:jawa_jawa:20181005210213j:plain
 東大寺のモチーフ。

f:id:jawa_jawa:20181007124107j:plain
 やわらかな色合いで。日本画の“たらしこみ”みたいだ。版画でこんなことができるんだ!と感心する。

f:id:jawa_jawa:20181005210212j:plain
 春夏秋冬の清水寺を描いた連作のうち、冬。

f:id:jawa_jawa:20181005210211j:plain
 この、寺院の釘かくしをアップにした作品が、なんか好きだった(^^

f:id:jawa_jawa:20181005210214j:plain
 紫禁城が、端正な箱庭世界のよう。

f:id:jawa_jawa:20181005210209j:plain
 女性の連作。クリムトっぽくもあり…、

f:id:jawa_jawa:20181005210208j:plain

f:id:jawa_jawa:20181005210210j:plain
 こうなると恐ろしいメデューサのよう。

 精緻に彫り込まれた画面は魔術的でもあり、うつろう夢の世界のようだ。かなり見ごたえのある展示だった。──最近、夢を見ているような絵が、好きになってきたような気がする。

町田市立国際版画美術館>ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅

 この展示は、全面的に写真撮影可だった。この、町田の美術館は、地元なのでときどき足を運ぶけれど、ガラスが反射するので写真を撮りやすくはないのだけれどね。

「宮本佳美 消滅からの形成」@ポーラミュージアムアネックス 9/16

 9月16日(日曜)、地下鉄で銀座に足を運んだ。

f:id:jawa_jawa:20181005210207j:plain
ポーラ ミュージアム アネックス>宮本佳美「消滅からの形成」

 ぼくは最初、写真作品だと思っていたのだ。そうではなく、水彩で、このような光を表現しているのだという。

f:id:jawa_jawa:20181005210204j:plain
 金属みたいに見える。これが布のキャンバスに絵の具で描いてあるとは…。

f:id:jawa_jawa:20181005210205j:plain

f:id:jawa_jawa:20181005210203j:plain
 ちょっとはっとした。タイトルは『Mutter』。

アジアの漆器 9/9

▼「漆がつなぐ、アジアの山々」@世田谷文化生活情報センター 生活工房

 9月9日(日曜)、京王線芦花公園駅から下高井戸へ、そして東急世田谷線に揺られて三軒茶屋に行った。キャロットタワーの中の“生活工房ギャラリー”というところで、中国の彝族、ヴェトナム、タイ、ミャンマーブータン漆器が展示されている。

f:id:jawa_jawa:20180930222150j:plain
 宝箱みたい。溜息が出る。

f:id:jawa_jawa:20180930222148j:plain

f:id:jawa_jawa:20180930222149j:plain
 中国四川省涼山の彝族の漆器。これはすごいな…、鮮やか。見たことがないデザイン。

f:id:jawa_jawa:20180930222156j:plain

f:id:jawa_jawa:20180930222154j:plain

f:id:jawa_jawa:20180930222152j:plain

f:id:jawa_jawa:20180930222155j:plain

f:id:jawa_jawa:20180930222151j:plain
 ミャンマー漆器

f:id:jawa_jawa:20180930222153j:plain
 ブータン漆器はこのように木目を生かす塗り方をするのだそうだ(漆の木の種類も違うらしい)。…これは、日本でも売れそうじゃない?

 どれも本当に美しい。──「漆」については、先日の縄文展でも「そんなに昔から使われていたのか」と驚いたのだけど、…「特定の木の樹液を取って器に塗ると、丈夫になるし、水も弾くし、つやつやして綺麗!(作業工程ではかぶれるけど、かまわない)」という文化が、南アジアから日本にかけて広がっているというのは、面白いことだなあ。

世田谷文化生活情報センター生活工房>クライム・エブリ・マウンテンvol.2「漆がつなぐ、アジアの山々」

「ビーマイベイビー」@世田谷文学館 9/9

 9月9日(日曜)、千歳船橋からバスに乗って、世田谷文学館へ行った。

f:id:jawa_jawa:20180930222147j:plain
 アートディレクターの信藤三雄氏の、さまざまなCDジャケットやポスターなどの作品の展示だ。入口のヴィジュアルは、夏帆さんのポートレイト。

f:id:jawa_jawa:20180930222145j:plain
 MISIAだね

 会場に入った瞬間、この壁を見て、うわあ、と変な声が出てしまった。

f:id:jawa_jawa:20180930222142j:plain
 わかる人には説明不要な、この柄!! …フリッパーズ・ギターの『ヘッド博士の世界塔』ですね。

f:id:jawa_jawa:20181001003719j:plain

f:id:jawa_jawa:20180930222143j:plain
 “飛び出すよフリッパーズ、世界で初~♪”? 1stアルバムの漫画も。

f:id:jawa_jawa:20180930222141j:plain
 カヒミ・カリィじゃないか!! 全部見覚えがある…(カヒミ、いま何をしておいでなのでしょう)

f:id:jawa_jawa:20180930222146j:plain

f:id:jawa_jawa:20180930222139j:plain

f:id:jawa_jawa:20180930222138j:plain
 まさに、ぼくにとって、世代直撃。フリッパーズ・ギターコーネリアス、ピチカート・ファイブなどだけじゃなくて、ミスチル、オリラヴ、サザン、松任谷由美矢野顕子もいるぞ。見覚えのあるCDジャケットばかり。坂本龍一が頭にスニーカーを乗せている変な商業ポスターなんかもかかっていて、笑ってしまった。

f:id:jawa_jawa:20180930222140j:plain
 MY LITTLE LOVERの1枚目のアルバム。よく聴いたなあ

 日本のポップミュージックの、これだけの仕事に、ひとりのアートディレクターがすべて関わっているとは、まったく知らなかった。中には、AKBのジャケットなんかも。今でも活躍されている人なのだ。

f:id:jawa_jawa:20180930222157j:plain
 最後に、また変な声が出たやつ。これ…!(^^;/小山田圭吾サンです)